ダイエットから離れる食べ方「インテュイティブ・イーティング」とは?コーチ岡井麻悠子さんに聞く

 ダイエットから離れる食べ方「インテュイティブ・イーティング」とは?コーチ岡井麻悠子さんに聞く
吉野なお
吉野なお
2022-04-20
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偏った食べ方をしていることに気づくには?

ーーその人の体に合う本来の状態に持っていく…「体が痩せる」ではなくて、ストレスで食べ過ぎなくても良い状態になる、ということですね。もしかしたら、自分では普通に食べていると思っていても、実は偏った食べ方をしている人もいるかもしれません。そういった方に対して何か気づきをもたらすアプローチはありますか?

麻悠子:まず、どういうルールに従って食べているかを考えてみる。意識的に食べてないものをリストする。「なぜ食べていないのか?」を考える。「体に悪いと言われているから?」「体に合わないから?」「太るから?」「食べちゃいけないと思っているから?」とか。そしてそれは本当は食べたいけど我慢しているものなのか、葛藤があるかどうかなどに気付くことです。運動も同じで、なぜ運動するのか…カロリーを消費したいからなのか、体を動かすと気持ち良いからなのかを考えてみる。食べることでも運動でも、行動にどんな理由があるかを考える。痩せ願望がどのぐらいあるか、常に食べ物のことを考えているかなども見直します。

ーーダイエットで食事制限をすると、どうしても食べ物のことを考えてしまいますね。食べ物優先でスケジュールを立てて、それが崩れるとストレスになっていったり。

麻悠子:インテュイティブ・イーティングは、自分の体とコミュニケーションとりながら、体を信頼しながら食べること。ダイエットの食事制限は、自分の体を信頼しないところからスタートしていきます。これは食べちゃだめ、あれはだめ..と頭で考えて食べるうちに、体が欲していてもその信号は間違っているという認識になってしまう。その感覚を取り戻すのがインテュイティブ・イーティングなんです。ストレスで食べすぎちゃうのも制限しちゃうのも、当たりまえの反応。我慢していると、「食べたい」ってなっていくんです。この時の「食べたい」には2パターンあって、「頭が制限してるから欲しくなるパターン」と「体の栄養が不十分だから必要になるパターン」です。いつも体は死なないように頑張っていて、栄養不足で痩せないようにする。そのために食欲を増やす。なので無性に食べたくなるんです。一方で普通に食べられる人って、何を食べても罪悪感がない。罪悪感がないからいくらでも食べれるけど、いつ食べてもいいとわかっているから過食するほど食べない。制限しないから食欲も普通。制限することによって逆効果が生まれるんです。

ーー私も痩せたいと思えば思うほど過食していたのでよくわかります!でも麻悠子さんが言うように、制限をかけているから過食しているって自分で気付いてから、変わっていきました。現代では太ることって悪いことだと捉えられがちだけど、体が痩せないようにしているというのは、何らかの理由で体が危機感を感じていると言うことでもあると感じます。制限するよりも、心も体も満たしてあげることが大事ですね。

麻悠子:ダイエットで食生活を変える人もいますが、もっと健康になりたいから食生活を変えるっていう人もいますよね。でも、こだわりを持ちすぎてやりすぎてもいけない。例えば、オーガニックしか食べられない、ヴィーガンしか食べられないとか、それがストレスになってバランスを崩してしまうと、体に悪い。体も健康で心も健康っていうバランスが大事。体のことは考えるけど、心を忘れてしまう人が多いんです。食べる喜びを大事にして欲しいし、美味しいって思えることも大事。この食べ物が悪い、これでなければ、というストレスも体に良くないと言うことを伝えていきたいです。あとは、ヴィーガンと言っても、実は隠しダイエットでヴィーガンをやっている人もいるんです。お肉を食べないからカロリーを抑えられるとか。だから「なぜヴィーガンなの?」って聞かないといけない。それが体質に合うのならいいけど、お肉を食べないでいると調子が悪くなるなら、ちょっと違うのかなって思います。その方法が本当に自分に合っているのか?って考えるべきですね。

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吉野なお

吉野なお

プラスサイズモデル・エッセイスト。雑誌『ラ・ファーファ(発行:文友舎)』などでモデル活動をしながら、摂食障害の経験をもとに講演活動やワークショップのほか、ZOOMでの個人セッションも行っている。mosh.jp/withnao/



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