ビールは更年期に嬉しいお酒って本当?管理栄養士が語るビールの意外な魅力とは

 ビールは更年期に嬉しいお酒って本当?管理栄養士が語るビールの意外な魅力とは
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松田 真紀
松田 真紀
2021-12-24

やっぱり1杯目のビールは格別。でも「ビールは太る」と最近敬遠していませんか?そんなビールラバーに朗報。 実はビールは女性に嬉しい健康美容効果が。飲み方一つで急に太る心配もありません。美味しく楽しめます!

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やっぱり1杯目はビール!

1日頑張ったご褒美に1杯飲んで、思わず「あ~幸せ~!」という、ビールラバーも多いでしょう。もちろん、私もその1人です! あのリラックス感、実は理由があるんです。しかも女性の更年期ケアや美肌にも嬉しいお酒ってご存知でしたか?

「ホップ」は実は、ハーブの一種

ホップは実はハーブの一種。ラベンダーに似たその香りにはリラックス効果があり、メンタルを落ち着かせる働きも!ホップには雄株と雌株があります。ビールに使われる雌株の「毬花(まりばな)」と呼ばれる部分にβ(ベータ)-ユーデスモールという成分が含まれており、自律神経を整える働きがあります。飲用することで、ストレスにより生じる交感神経の過剰な興奮を抑え、リラックスやくつろぎ感をもたらすことが、研究によって明らかに。

ホップ
「ホップ」は実は、ハーブの一種!photo by Adobe Stock

ビールの主原料「ホップ」は、女性ホルモンと同じ働き。更年期女性の味方!

ビールの主原料の1つ、ホップには女性ホルモンと同じ働きをする「フィストロゲン」が含まれていて、更年期女性の強い味方。フィストロゲンは、年齢とともに減少するホルモンバランスの崩れや冷え症、肩こり、疲労、白髪といった女性の不調改善に期待が高まっています。

ビールは「美肌成分」が揃っている!

ビールには、体の新陳代謝を助けるビタミンB1をはじめ、「美肌ビタミン」と呼ばれるビタミンB2、B6、ニコチン酸、パントテン酸、B12、葉酸など、10種類のビタミンB群が入っています。また、ビタミンB1・B2の効果をアップするビタミンEも含まれており、これらを同時に摂取できるため効率的。その他、美肌に必要なターンオーバーの促進や、血流改善効果のある核酸もビールに含まれる注目成分の1つ。

ビールはワインに次ぐ、高ポリフェノールのお酒

体全体を若返らせる「抗酸化作用」があるお酒といえば、ポリフェノールを含む「赤ワイン」。赤ワインに次ぐ高ポリフェノール飲料であるビールの抗酸化作用についての研究データを発表されています。ホップに含まれるポリフェノールや大麦のビタミンE、アミノ酸、ビール酵母の酵母菌の作用などの相乗効果によるものだと推察されます。これはビールラバーにとって、嬉しいお知らせですね。

気になる糖質は…?

醸造酒のビールには糖質が含まれますが、100mlあたり3g前後です。350ml缶1本で約11g程度で、これはご飯1杯(約140g)の4分の1以下です。冷静に考えると、低糖質スイーツやパン1個と同じくらいでは?

緩やかな適正糖質を提唱するロカボでは、「1食あたり糖質20~40g、デザートでは糖質10g以下」とされていますから、健康なアラフォー女性にとって、ビール1本分の糖質は大した問題ではありません。おつまみを低糖質のチキンや魚介、野菜にしたり、ビールの前に食物繊維やタンパク質を摂って血糖値の急上昇を抑えるなど食べ方を工夫すれば、許容範囲内。

今流行りのハイボールに使われるウイスキーや焼酎などの蒸留酒は、糖質を含まないため太りにくく、ダイエット向きのお酒とされています。一方、ビールが他のお酒に比べて太るといわれるのは、「糖質」が含まれているからです。糖質は血糖値を上昇させやすいため、飲み過ぎはもちろんNGです。でも実は、ビールの糖質はそんなに気にするほどではないかもしれません。

動物実験段階では熟成ホップ由来の成分に血糖値上昇の抑制など、肥満予防につながるという研究結果も発表され、今後が期待されます。

ノンアルコール、微アルコールは強い味方に!女性が気にすべきはアルコールの「量」

ビールは糖質やカロリーに目がいきがちですが、女性が美容と健康のために気をつけるべきことは、アルコールの「量」です。一般的に、女性のアルコール分解力は男性の半分。国が定めたアルコール摂取量は、男性20gに対して女性は10gです。
女性は、アルコールによって生理中などでホルモンバランスが乱れることもあります。酔いが早く回ったり、更年期の症状が悪化したりするなど、ダメージを受けやすいデリケートな体です。

そこで活用したいのが、今増えているノンアルコールや微アルコールのビールテイスト飲料。ホップのメリットをチャージできてアルコール控えめ。体調に合わせて活用できますね。

冷やしすぎに注意。冷え予防に白湯のチェイサーを

日本ではビールをキンキンに冷やして飲む習慣があります。しかし、冷えは美容と健康の大敵です!キンキンに冷えたビールは内臓を冷やして免疫低下させ、代謝を落とし、ストレスになります。女性ホルモンの乱れにもつながるので要注意。ビールを飲んでいる合間には、常温以上の水や白湯をしっかり飲むのもお忘れなく!

ストレス社会で頑張る女性の皆さん、息抜きは心身の健康にとっても大切です。

「おいしく、楽しく、そして美しく!! 」ビールライフを楽しんでくださいね!

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松田 真紀

松田 真紀

1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。



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