【知って得する栄養学】糖質制限ダイエットの救世主「MCTオイル」を味方につけよう

 【知って得する栄養学】糖質制限ダイエットの救世主「MCTオイル」を味方につけよう
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半田葉子
半田葉子
2021-12-04
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【MCTオイルについて】MCTオイルとは

MCTオイルの原料は、「ココナッツ(ココヤシの実」や「パーム(アブラヤシの実)」。ココナッツオイルやパーム油には「中鎖脂肪酸」と呼ばれる成分が約60%入っていますが、このMCTオイルはココナッツオイルやパーム油から、その中鎖脂肪酸だけを抜き取った、中鎖脂肪酸100%のオイルです。

MCTオイルは健康を謳っている商品のため、「無添加」「天然由来」「保存料添加物不使用」「医師監修」などが書かれているオイルが多いですが、原料に「パーム油」と書かれているのもには注意が必要です。また、オイルにも無味無臭のものや香りが残っているものもあり、料理にも向き不向きがあります。

どういったMCTオイルが良いのかひとつずつ見ていきましょう。

MCTオイル
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【MCTオイルについて】MCTオイルの効能

先に説明した「糖質制限ダイエット」の助けになるのが「MCTオイル」。私たちの体を構成している全ての器官が働くにはエネルギーが必要です。そのエネルギー源の大元が「糖質」と「脂質」。特に、肝臓で作られるケトン体という物質は、糖質(ブドウ糖)が不足すると脂肪からエネルギー源として作られる物質で、糖質を制限することにより脂質(体内脂肪)が燃焼されやすくなります。

その脂肪の燃焼の助けとなるのが「MCTオイル」。
『MCT』とは「Medium Chain Triglyceride=中鎖脂肪酸」のことで、中鎖脂肪酸はキャノーラ油やごま油などの長鎖脂肪酸よりも約5倍早くエネルギーとなり、栄養の吸収や分解がされやすいと言われています。消化が速く効率よくエネルギー源となるため、脂質が身体に脂肪として溜まりにくく、ダイエットに効果的なオイルとして注目されています。

また、中鎖脂肪酸は少量で効率よくエネルギーを補える食品として、医療や介護、スポーツ分野でも広く活用されています。MCTは、食が細くなり低栄養状態になりやすい高齢者や、栄養が必要な未熟児、腎臓病患者、てんかん患者、消化器系の手術後の患者などの栄養補給に医療現場では40年以上前から使用されています。また、持続的なエネルギーを必要とするアスリートの補助食品としても日々研究が続いています。

【MCTオイルについて】MCTオイルで気を付けたいこと

今やMCTオイルはスーパーでも手に入る身近なオイルになりました。
常用に際し、購入時と使用時に気を付けたい点をお伝えします。

購入時:原材料に注意しましょう。
MCTオイルの原料には「ココナッツ(ココヤシの実」や「パーム(アブラヤシの実)」があります。購入の際は「ココナッツ」と記載されているものを選ぶようにしましょう。

パーム油
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アブラヤシの実から取れる「パーム油」。パーム由来のMCTオイルは無味無臭で透明な色をしていますが、元は半固形で写真の通り褐色です。使い勝手が良いパーム油は、ショートニングの代用品としても多くの外食産業や工業用油、化粧品にも使用されている世界一生産量の多い安価な油です。そのため、MCTオイルとして販売されているオイルの中でも比較的安価なものに多く使用されています。
パーム油はヘキサンというガソリンに多く含まれ、ベンジンの主成分でもある有害な化学物質に溶かして高温処理し、色と臭みをとる溶剤抽出法で精製され、石油化学物質が含まれます。また、食用として使い物にならないような油にたくさんの添加物を加え、食用として販売されています。ヘキサンは元々毒性のある添加物を熱処理により毒性を除去し、食用として販売されています。

パーム油は体内に入ると固まりやすく、動物性油脂のように血液の粘土を高め血流を悪くし、結果心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす原因へとつながる恐れもあります。
MCTオイルを購入の際は「ココナッツ100%」とわかるオイルを購入しましょう。
※パーム油については||食品に含まれる【トランス脂肪酸】ってどれくらい体に悪い? 使用を制限している国々とその理由は?||でも解説しています。

使用時:摂り過ぎに注意しましょう。
MCTオイルを過剰摂取すると、激しい腹痛や下痢、胸やけや吐き気、強い眠気などの体調不良になる恐れがあります。

MCTオイルは効率良く分解されてるエネルギー源となるため、カロリーは大さじ1杯あたり100カロリーもあります。過剰摂取は消化器官には負担がかかり、小腸内の浸透圧が高くなったり、ケトン体が血中に増えすぎると嘔吐や下痢などの症状が出るという副作用が起こる場合があります。身体が慣れないうちは特に注意し、スプーン1杯くらいから始め、徐々に量を調整するようにしましょう。

【MCTオイルについて】MCTオイルの選び方

先程、原材料についてお伝えしましたが、ココナッツが原料のMCTオイルの中でも特徴はさまざま。ココナッツの風味が残っていると料理が限定されてしまうので、癖のない、無味無臭がおすすめです。また、他のオイルにも共通していますが、オイルは直射日光に当たると酸化しやすいので、遮光性のある容器に入ったものがおすすめです。

MCTオイルはポリスチレン系のプラスチックを溶かす恐れがあると言われています。プラスチックの容器には「樹脂コード」が書かれており、そのマークでポリエチレン系が含まれているかわかるのですが、刻印は義務ではなく任意のため、心配な方は瓶入りをおすすめします。

また、「薬剤師が監修したMCTオイル」として謳っていたり、「〇〇ランキングNO,1」「創業〇〇年」「保存料・添加物不使用」「雑誌で紹介されました」とあっても、原材料を見るとココナッツではなくパーム油100%の商品もあります。「オーガニック」や「無添加」という言葉に惑わされず、購入時は原材料をしっかりチェックしましょう。

最近は調理時の風味の変化やコーヒーやお味噌汁との相性などを比較したサイトもありますので、気になった商品があれば、購入の前に一度調べてみるのも良いでしょう。

【MCTオイルについて】MCTオイルのおすすめ摂取方法

MCTオイルは加熱には向いていません。発煙点が低く150度くらいで煙が出たり、それ以上になると引火の可能性もあります。調理後の仕上げのオイルや非加熱の料理に使用しましょう。

以前、『シリコンバレー式自分を変える最高の食事』として「完全無欠コーヒー」「バターコーヒー」などと言われ、グラスフェッドバターとMCTオイルを混ぜたコーヒーが話題になりました。
また、「日常的に摂る」という意味でお味噌汁をおすすめしているサイトも良く目にしますが、コーヒーやお味噌汁にオイルを入れることに抵抗がある方も多いのではないでしょうか。

おすすめはサラダやパスタ、焼き魚などの仕上げにひとかけしたり、炊いたご飯を混ぜる際にひと回しかけるとツヤが出ます。ポイントは「高温加熱をしない」こと。今まで使用していたオリーブオイルやアマニ油の代わりに、仕上げにさっとかけるのが簡単でお勧めです。

無味無臭のため、サラダの場合は一緒に粒胡椒や粒塩、バルサミコ酢(白)をかけたり、野菜などと一緒にブレンダーにかけ、即席のドレッシングを作っても良いでしょう。その他、ナムルやラペにしたり、マヨネーズ料理に少し加えたり、納豆やパスタの仕上げやパサパサの焼き魚にかけると味覚も食感もまろやかになります。
※納豆の容器やカップ麺などの容器は「ポリスチレン系プラスチック」ですので、容器に直接入れることは避けましょう。

いかがでしたでしょうか。
糖質について今一度ご自身の摂取量について考え、気になった方は、MCTオイルを日常にぜひ活用してみてくださいね。

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半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



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