衝動買い、やけ酒・やけ食い…ストレス自爆から卒業するために|臨床心理士が解説する心のワークとは
生きていれば、ストレスフルな出来事によってネガティブな感情を感じることは避けられません。そんな時、あなたは冷静に対処できますか?それともうまくいかずに自爆してしまいますか?後者だというあなたにオススメしたい、心理的な対処方法を臨床心理士である筆者がお伝えします。
葛藤場面で大切なのは〇〇すること
悲しみや怒りなどのネガティブな感情に遭遇すると、そうした感情に耐えることができず、逃れようとして、衝動買いや飲酒、やけ食いなどの自暴自棄な行動を起こすことがあります。そうした行動は一時的には気持ちをラクにしてくれるかもしれませんが、長きに渡って続けていると、結果として心身の健康に悪影響を与えてしまいますよね。米国・テキサス大学の研究によると、そうした悲しみや怒りなどのネガティブな感情による葛藤を減らすのに役立つのが、【擬人化(人に見立てる)】という作業をすることなのだそう。ネガティブ感情を擬人化することによって、ネガティブな感情のレベルを下げることができるのだそうです。悲しみや怒りなどの感情を人に見立てていくうちに、自分とネガティブな感情との間に距離ができるようになるので、結果的にネガティブな感情による苦しみが和らぐんだとか。次のページでは、感情の擬人化のワーク【インサイド・ヘッド】のやり方をお伝えします。
感情の擬人化をしてみよう!
【インサイド・ヘッド(感情の擬人化のワーク)】のやり方
① 紙と鉛筆やペンなどの書くものを用意します。
② 自分が強く感じて悩んでいる感情(悲しみ、怒り、不安など)と、その原因になった出来事を思い出します。
③ ②で浮かんだ感情を人に見立ててイメージしていきます。その人がどんな人物なのか、イラストや文章で書き出していきましょう。
例)顔を真っ赤にして鼻息を立てている人、笑顔がなく線が細い人 など
④ 擬人化する前とした後とで、悩んでいた感情がどのように変化したかを観察します。
感情の擬人化が難しい時は?
もし人に見立てるのが難しい場合は、感情に名前をつけることで代用してもO Kです。また、ワークを行う中で大きな変化が感じられないこともあるかもしれませんが、気にしなくて大丈夫。その場合は『あまり変化がなかったな』という今の状態を受け止めましょう。そもそも、感情が高ぶりすぎてワークをするのが難しい場合は、呼吸法をしてみたり、ストレッチをしてみたりして身体をほぐしリラックスさせてからやってみると、感じ方が変わるかもしれません。今回ご紹介したワークを、ぜひセルフケアのツールとして役立ててみてくださいね。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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