"口(くち)"をどう使うかで、運命は好転するという話|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 "口(くち)"をどう使うかで、運命は好転するという話|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2021-06-17

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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皆さん、こんにちは。ここ最近は色とりどりの紫陽花をよく見かけるようになりました。思わず手のひらに乗せたくなるようなコロンとした丸いお花が可愛いですね。

来週21日で今年の夏至を迎えます。梅雨のさなかなので実感しにくいですが、一年でもっとも昼間が長い一日ですね。反対に一年でもっとも昼間が短くなる12月の冬至に向かってここから少しづつ陽は短くなっていきます。つまり夏至は、陰と陽のエネルギーでできた世界の陽のエネルギーがいちばん強い頂点の日。すべてが満ちている時です。そんな日に、未来を見据えて皆さんは何をしますか?

さて、この連載では過去にも「少食がいかに私たちの健康にとって良いものか」についてお話してきました。今日はこのテーマを少し違った角度から眺めてみようと思います。

「食事」「ことばを話すこと」「呼吸」。あえて意識してみたことはないと思いますが、私たちが生きていくのに欠かせないこの三つはすべて「口」で行っていますよね。言い換えれば、私たちが何をどう食べるか、何をどう話すか、そしてどのような呼吸をするか。このことには想像以上に人生を良くも悪くも方向付けていく力があるとは思いませんか?

体を持つ私たちは、主に「口」を通すことで、外の世界を体の内側に取り入れたり、またその逆を行っています。「口」を通して栄養となる食べ物を取り入れ、「口」を通して想いをのせた言葉を発し他者に伝える。そして「口」を通して命を繋ぐための呼吸をする。いわば「口」は、体の内側と外の世界とを絶えず繋ぐ重要な入り口と出口のようなものです。

人間も広い自然界の一部に過ぎません。宇宙から大地へと流れるエネルギーと大地から宇宙へ流れるエネルギーが常に私たちの「口」を通して行き交っているのを想像してみてください。もし、食べるものや使うことば、呼吸の仕方を間違っていたらどうでしょうか。例えば体に合わないものを食べ続ける。愛のない言葉をついつい吐いてしまう。いつもストレスフルで呼吸が浅いまま。

こんな状態のまま日々をやり過ごしていれば、宇宙と大地、双方のエネルギーの循環が私たちの体の中で上手くいかなくなってしまいます。自然の調和が乱れてしまいますよね。そうするとサインとして私たちは「何かおかしい」「どこか体がだるい」などの不調を感じるようになります。

ではどうしたらエネルギーの循環が滞ることなく、常に調和が取れたピースフルな状態でいられるのでしょうか?その答えが「小食」にあります。

普段から必要以上に食べ過ぎていると体が目づまりを起こすので、せっかく外から良いエネルギーが入ってこようとしても入る余白がないために跳ね返されてしまいます。過食によって体は一杯いっぱいですので、自然なエネルギー循環が遮断されてしまうんですね。

逆に少食によって常に余白を作ってあげると、宇宙から多くのエネルギーがすんなり入ってきます。受け取り上手になれますね。すると豊かな発見や気づきに出会いやすかったり、思い立ったらすぐ行動できるようになっていきます。もし常にお腹いっぱいな状態だったら、文字通り行動すらできないですよね。よく言われる「腹八分目」というのは、食べ終わってもすぐに動ける余地がある状態のこと。この余白を「少食」によって常に作ってあげることが、運命を好転させていくのにとても大切ではないでしょうか。

「少食」の大切さを説いた江戸時代の有名な占い師・水野南北は、人がどんな食習慣を持っているかでその人の運命を見極めることが出来たそうです。食生活と運命はとても密な関係にありますから、ぜひ皆さんも一緒にヘルシーでピースフルな食事を通して望む生き方を実現していきましょう。

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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