真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事

 真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事
Christopher Dougherty
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ヨガ界全体をけん引する役割があってもいいと思うけれど、私たちにはまだそれがない。

私たちはソーシャルメディアの有名人や『ヨガジャーナル』のような出版物、カンファレンスの中でリーダーを求めているけれど、それらはみな数がすべてで、指導自体には重きを置いていない。もちろん、そこには優れたヨガティーチャーたちもいるわ。たとえばジュディス・ハンソン・ラサターやドナ・ファーリ、ジョン・シューマッカーがね。彼らはほかの人とは違う。3人が同意するかわからないけれど、彼らは深いヨガの感覚に根ざしているの。こういう人たちが上に立ってヨガ界を率いていくべきなのよ。

新しいヴィンヤサフローや音楽を否定するわけではないわ。それがあってもいいけれど、ヨガのさらなる可能性をコミュニティに教育する必要があるの。今私たちはヨガアライアンスに絶大な力を与えてしまっている。もちろん良いこともあるけれど、彼らは不適切な情報も流しているわ。良い指導者になるために資格を取る必要なんてないのに。

もし私たちが、200時間トレーニングを受ければ指導者になれる、500時間でティーチャーたちを指導できる、という情報を与えているなら、それは問題よ。4年間練習を続けていてカリスマ性があるからといって、ティーチャーたちを指導できる準備ができた訳ではないのよ。確かに私はかなり若い頃からヨガを始めていた。ヨガワークスを始める前に4年間練習していたし、2年間指導していた。それでも私は自分をまだ赤ちゃんだと思っていた。31年間ヨガを教えてきて、やっとティーチャーたちを指導できる準備ができた程度よ。

ヨガワークスを手放すまで、かなり悩んだわ。買収した人たちは白人で、男性で、アメリカ企業で、良識を感じられなかった。ヨガワークスを売却した時、取締役会にはヨギや女性が1人もいなかったの。それがどういうことか彼らは理解していなかったけれど、理解していると思い込んでいた(その後ヨガワークスはまた売却されたので、新しいオーナーのことはわからないけれど)。それに、ヨガワークスを立ち上げた時は私もかなり若くて、十分なビジネススキルを備えていなかったの。私の問題は、物事を個人的に捉えてしまうことだった。

時々自分がゴミ箱のように思えたの。みんなが自分にゴミを投げつけてくるってね。でもその頃の私がもっと自分を理解していて、自分を信じていて、今持っている知識があったら、会社を手放さずに、正しい方向に向かえていたでしょう。

スリ・K・パタビ・ジョイスはいつもこう言っていたわ。「ヨガは私たちが思っている以上に大きなものだ。だから絶えることはない」。そのとおりだと思う。でも私たちはもっと内側を見て、落ち着いて、時間をかけて観察して、真のヨギを選ぶ必要がある。収益だけではなく、ヨガのために闘ってくれる誰かを。

 真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事
photo by Christopher Dougherty

聞き手/アンドレア・フェレッティ
ポッドキャスト「ヨガランド」のホストや、ジェイソン・クランデル・ヨガ・メソッドのクリエイティブ・ディレクターを務めている。料理やヨガをしていないときは6歳の娘と過ごしている。

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interview by Andrea Ferretti
photos by Christopher Dougherty
model by Maty Ezraty
hair&make-up by Marine Vaisset
translated by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.64掲載



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