真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事

 真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事
Christopher Dougherty
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どのヨガスクールやスタジオにも、真のヨギがいるべきだと思う。確かなヨガビジョンを持ち続ける勇気のある人がね。自分のヨガに誠実に生きていて、「確かにお金にはなるだろうが、それはヨガじゃないから断る」と言える人。それが今のヨガ界には欠けているのよ。最近はウェブページやインスタグラムをやっていなければ、そう言える機会さえも得られない。そんなのおかしいでしょう。

もしスクールにティーチャーたちの才能を見抜けるようなヨギがいて、ソーシャルメディアが苦手ならば、無理にやらせるべきではないわ。ヨガ界に必要なのは、精神修養の道を歩んでいて、ヨガについて読書や探究をし、実践を重ねていて、ヨガの原則、つまりヴィーラバッドラーサナⅠ (戦士のポーズⅠ)ではなく、ヨガ的な生き方の真髄に根ざしている人よ。

ビーチでヨガをする自分の姿を写真に撮っている人たちを見ると、気になってしまうの。心配になるのよ。私は今こうして外にいられる。この美しいハワイにね。母なる大地を歩くこともできて、人生が完璧なふりもできる。でも現実は違う。人間だから完璧じゃないことがたくさんある。だけど、まわりを利用して真実でないものを完璧に創りだすこともできる。そしてその嘘に引っかかる人たちは、自分の人生はそんなに良くないなあと思う。すべて幻想なのよ。だから心配になるの。そんなことをするよりも本気でヨガを勉強したほうがいいわ。

ソーシャルメディアによって人気が出るティーチャーがいる現状は本当に残念だわ。たいていの場合、彼らは最高の指導者ではないから。ヨガ界にはメンター(優れた指導者)が少ないと思う。問題のある指導者たちはいるけれどね。ヨガ界にはメディテーション界のようなリーダー的存在がいないのよ。ジャック・コーンフィールドもいないし、ジョセフ・ゴールドスタインもいない。真の哲学を正しく伝えてくれる僧侶もいない。メディテーション界では、哲学を理解して日々の生活に落とし込むことに成功しているけれど、ヨガ界ではパタンジャリヨーガスートラのような教本に基づいてヨガを実践している人は少ないと思う。

 真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事
photo by Christopher Dougherty

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interview by Andrea Ferretti
photos by Christopher Dougherty
model by Maty Ezraty
hair&make-up by Marine Vaisset
translated by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.64掲載



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