むくみ太りにはもやしが良い?緑豆もやしと大豆もやし、知られざるパワーとは|管理栄養士のTKG朝食
お財布に優しい「もやし」ですが、じつは植物名ではなく、豆類や穀類を発芽・成長させたものの総称です。そもそも、もやしは低カロリーなダイエット食のイメージですが、むくみ太りにもピッタリです。大豆もやしと緑豆もやしにはそれぞれの特徴がありますので、体質に合わせて選べるようになりたいですね。
お財布に優しい「カサ増しもやし」
ダイエットの常識が「カロリーオフ」から「糖質オフ」へと移行したことで、食べる量を減らさなくても糖質量を減らせばいいと言う考え方に変わってきました。「食べる量が少なくて満足できない」というストレスが減った一方で「食費が上がりやすい」という悩みが出てきます。これは、糖質(安価でお腹いっぱいに食べれる米や小麦粉など)がたんぱく質(肉や魚のように糖質よりも高価なもの)に置き換わって「食費が上がりやすい」からです。
糖質オフダイエットを続けるためには食費を下げる工夫も必要です。お米や麺の量を減らしてもカサ増しできる「お財布に優しい食材」といえば…
そう!今週のダイエット食材は「もやし」です。
湿度の高い夏こそ「もやしTKG」で決まり!
いつでもどこでも安価で手に入るもやしをナムルや胡麻和えにして、卵とごはんにのせたらもやしTKGの完成です。
もやしとは植物名ではなく、豆を暗いところで発芽させたものの総称です。代表的なものに緑豆もやしや大豆もやしがありますが、どちらがダイエットに適しているのでしょうか?
結論からいうと、どちらもむくみ太りの解消に適しており、湿度の高い夏にはぴったりの食材です。それぞれの特徴をみていきましょう。
大豆もやし
大豆を発芽させた大豆もやしは、豆の旨味や風味がしっかり感じられるもやしです。胃腸が弱い人や疲れやすい人のむくみ解消には"身体を冷やさない大豆もやし"がおすすめです。
大豆もやしは、緑豆もやしに比べて糖質量が少なく、タンパク質と食物繊維が多く含まれています。またビタミンB1や葉酸、ビタミンE、マグネシウムも豊富に含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるときに必要なビタミンです。糖質の摂取量と比例して体内での必要量も増えますので、糖質過多気味の方は意識してビタミンB1を摂るように心がけましょう。葉酸には赤血球の形成を助ける働きがあります。不足すると貧血の原因になるので注意しましょう。ビタミンEは強い抗酸化力が体脂肪の酸化を防ぎ、老化を防ぎます。ビタミンEの過酸化脂質ができるのを抑える働きと、マグネシウムの血管をしなやかにする働きは血流改善に効果があります。また、マグネシウムは350種類以上の酵素の材料でもあり、さまざまな代謝を助けています。
いずれも代謝アップが期待できる栄養素です!
緑豆もやし
一方、国内市場90%を占めているのが緑豆もやしです。食べ過ぎ傾向の人や吹き出物ができやすい人のむくみ解消には、"しっかりデトックスできる緑豆もやし"がおすすめです。ただし、体を冷やす食材ですので、冷えが気になる人は生姜などの温食材を組み合わせて取り入れるようにしましょう。
緑豆もやしは大豆もやしよりも低カロリー&低脂質です。また、ビオチンやビタミンCやモリブデンを多く含んでいます。
ビオチンはビタミンB群の一種で、食べたものをエネルギーに変える補酵素として働きます。 ビタミンCは、紫外線ストレスから細胞を守ったり、肌のハリを作るコラーゲンの材料にもなります。夏の強い日差し対策におすすめしたいビタミンです。
そして、モリブデン! 実はモリブデンは大豆もやしには含まれていません。聞きなれないミネラルだと思いますが、有害物質を分解する働きがあり、緑豆もやしのデトックス力をサポートしています。
どちらのもやしもこの時期に最適のダイエット食材です。時間のない朝食でも手軽に調理しやすい点でもおすすめです。
もし『緑豆もやしのひげ根を取り除くのが面倒なの』という方がいらっしゃったら… ひげ根を取り除くと水溶性のビタミンが流れ出て行ってしまうのでもったいないですよ。気にならなければ、そのまま食べてしまいましょう。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く