アラフォー・アラフィフ・アラ還【年代&目的別】「朝たんぱく質」の食べ方|管理栄養士が解説

 アラフォー・アラフィフ・アラ還【年代&目的別】「朝たんぱく質」の食べ方|管理栄養士が解説
Adobe Stock
松田 真紀
松田 真紀
2022-02-03

健康と美容に不可欠なタンパク質。今や常識ですね。特に、朝からたんぱく質を摂取することは、1日の代謝を上げるだけでなく、脳の働きや睡眠の向上、メンタルバランスを整えるなど、さまざまなメリットがあります。 エストロゲンの減少やライフステージの変化など、体がガラッと変わる女性は、年齢によって効果的なたんぱく質は違います。 そこで、アラサー、アラフォー、アラフィフ、それぞれのおすすめの朝たんぱく質をご紹介。

広告

たんぱく質ウエイトは「3食均等」

たんぱく質の目標量、つまり最低限の数値は成人女性50g。1食あたり15~20g程度がひとつの目安。いまの日本人のライフスタイルは、午後から夜にかけての食事にウエイトがおかれています。夕食でのたんぱく質摂取量は男女ともに9割近くの人たちがクリアしている一方で、朝食でたんぱく質が足りている割合は女性1割程度。たんぱく質は他の栄養素と同様に貯金ができず、一回の許容量も決まっているため、3食こまめに食べることが大切。夜にガッツリ食べても、使い切れず食べすぎると中性脂肪として蓄積されると太りやすくなりますから、「3食均等」なタンパク質チャージがとても重要。

アラフォーからの「朝たんぱく質」習慣3つのいいこと

太りやすくなってきた、なんだか不調続き、冷え、イライラ、眠れない…40代が近づく頃から女性ホルモンの減少によって増えるデリケートな女性の体の悩み。そんなお悩みを助けるのが「朝のたんぱく質」です。

1・筋肉合成のスイッチをオン。冷えやすい女性の体を温め、一日の代謝をあげる。

2・乱れやすいメンタルバランスを整える。

3・体内時計を朝型に。成長ホルモン分泌促進、老化予防。睡眠の質向上。

こんなメリットが得られると考えられます。

「ステージ別」おすすめ!たんぱく質食材

エストロゲンの減少やライフステージの変化など、体がガラッと変わる女性は、そのステージによって体のや悩みも変わってきます。当然、そも時々で効果的なたんぱく質は違います。アラサー、アラフォー、アラフィー、それぞれのおすすめの朝たんぱく質をご紹介。

【アラウンド40歳】仕事・育児、忙しさMAX。ストレスコントロール・早めの老化予防に”魚介”(サーモン、サバ、ツナ缶)

サーモン
photo by Adobe Stock

30代後半になると、早い人では女性ホルモンであるエストロゲンの減少傾向により生理不順や疲れ、「今までは太らなかったのに、体重が増えてきた」と代謝低下、肌の老化など加齢を実感し始める人も多いはず。出産、育児に加えて仕事も負担が増えてくることで、ストレスを感じやすいステージ。この時期のタンパク質は、肉類から魚介類へのシフトがおすすめ。特にサーモンや青魚に多く含まれるωー3系脂肪酸の「良い脂」を摂取することで体全体の老化予防に。つながります。青魚を多く食べている女性は、ホルモンバランスの乱れによる、うつ症状が少ないというデータもあります。また、朝食べることで、食欲抑制や夜の睡眠の質を向上に働きます。「朝から魚はちょっと面倒」という方は、おにぎりやサンドウィッチの「具材」で魚介をチョイスすれば簡単。例えば、鮭フレークのおにぎり、ツナマヨおにぎり、ツナサンド、サーモンサンド、最近人気のサバサンドなど、無理なく取り入れてみてください。

【アラウンド50歳】急激な中性脂肪&LDLコレステロールの増加対策に。”大豆たんぱく質”(納豆・味噌・豆乳・豆腐)

大豆タンパク
photo by Adobe Stock

閉経前後の更年期に突入。エストロゲンの減少加速に伴い、体重増加する人が増えます。特に、中性脂肪やLDLコレステロール値の急上昇がみられるのもこのステージの特徴。このステージは、たんぱく質も植物性を選び、食事全体で動物性脂肪を減らしていく必要があります。植物性たんぱく質といえばやはり「大豆」。女性ホルモンと同じ働きをしてくれる抗酸化栄養素の大豆イソフラボンは、LDLコレステロール抑制効果も期待できます。食物繊維も同時に摂取できます。

【アラウンド60歳】栄養素の吸収効率低下、増える骨折予対策に。”発酵乳製品”(ヨーグルト・チーズ)

ヨーグルト
photo by Adobe Stock

更年期が落ち着いてきて、このステージで気をつけたいのが、筋力低下と骨折、関節痛などが増えてきます。加齢とともにたんぱく質の吸収力、筋力合成力が低下します。このステージに入ったら、吸収効率の優れた乳たんぱく質の助けを借りるのも大切。骨粗鬆症予防に必須のカルシウムも乳製品は吸収に優れています。また60歳になると腸の善玉菌が減り始めるので発酵食品の摂取がさらに重要となります。同じ乳製品でも、発酵させたヨーグルトやチーズにすることで、腸への負担を軽減し、さらに吸収効率がアップ。とはいえ、乳がんなどの原因になる動物性脂肪のとりすぎは注意が必要なので、ヨーグルトなら低脂肪タイプを。チーズならモッツアレラチーズやリコッタチーズが比較的脂肪が少なくヘルシー。ヨーグルトはホットヨーグルトにして人肌程度にして食べると腸に優しくオススメです。

広告

AUTHOR

松田 真紀

松田 真紀

1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

サーモン
大豆タンパク
ヨーグルト