【更年期のイライラを抑える東洋医学の知恵】血を全身に届けて思考を前向きにする「五臓ヨガ」

 【更年期のイライラを抑える東洋医学の知恵】血を全身に届けて思考を前向きにする「五臓ヨガ」
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私たちの体調は、様々な原因で浮き沈みを繰り返しています。「なんとなくすっきりしない」不調を自分でケアできると、毎日をもっと快適に過ごせるかもしれません。簡単なセルフケアとしておすすめしたいのが「五臓ヨガ」。東洋医学の知恵を取り入れた不調の緩和につながるポーズを、五臓ヨガ考案者の藤本聡先生がレクチャーします。

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内臓を養生して心身の健康を保つ「五臓ヨガ」

「五臓ヨガは、東洋医学の考え方とヨガを組み合わせたメソッドです。五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことで、気・血・津液を生み出し、全身に巡らせる働きを担っています。気・血・津液は人が生きるために不可欠な基本要素で、東洋医学ではこれらが滞りなく巡ることで健康を維持できると考えられています。

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気・血・津液を正常に巡らせるには、「量が充分であり」「システムが維持されていること」が重要で、そのためには五臓のバランスを保つ必要があります。五臓ヨガでは、経穴(ツボ)と経絡(五臓をつなぎ全身に広がる気・血・津液の通り道)を養生するヨガポーズを行い、五臓のバランスを整えて不調の軽減をめざします。
治療院などでの受動的なケアに加えて、能動的に動くヨガを行うことで体への関心を高め、セルフケアの一つとして五臓ヨガを取り入れてみてください」(藤本聡先生)

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〈気・血・津液とは〉

・気
生きるために必要なエネルギーのこと。大気(呼吸)から得られる「清気」、食べ物から得られる「水穀の気」、親から受け継ぐ「先天の精」で構成。

 ・血
赤い液状で血液と似ていますが機能が異なり、東洋医学では栄養素と捉えています。

 ・津液
血以外の正常な水分(胃液、鼻水、涙など)で、きれいでサラサラの「津」と、ネバネバの「液」に分けられます。

不安や鬱っぽさからくる更年期のイライラをすっきり

「五臓のなかで心は血を全身に巡らせて、精神の安定をつかさどる作用があります。更年期になると不安感や鬱っぽさが続き、以前のような自分でいられないことに苛立ちを覚えるときは、心に原因があると考えられます。

心の働きが弱くなり、心の血が不足すると精神的に不安定になり些細なことにもイライラしてしまいます。そんなときは、鎖骨下から腕の内側を通り小指まで続く心経を刺激し、血の巡りを良くする五臓ヨガのポーズを行ってみましょう。心が正常に働くと血が全身に巡り、思考も前向きになるはず。うつ伏せ寝の姿勢でできるので、就寝前などに実践するのがおすすめです。

加えて、イライラを落ち着けるために意識的に体をリラックスさせる習慣をつけましょう。奥歯は交感神経のスイッチと言われ、重たい荷物を持ち上げる際に奥歯をギュッと噛みしめると力が入るように、人の体は上下の奥歯が嚙み合うと神経がたかぶるしくみになっています。イライラが止まらない人は無意識に奥歯を噛みしめていることが多いので、仰向けでポカンと口を開けたまま1分間、深い呼吸を繰り返してリラックス時間をつくってみて」(藤本聡先生)

更年期のイライラを抑える「五臓ヨガポーズ」

目的と効果:腕を遠くに伸ばし、心経が通る腕の内側をストレッチして血の巡りを促進。

〈やり方〉

1.うつ伏せになり脚は腰幅、左肘を曲げて手を顔の下に置き甲におでこを預ける。右腕を肩の先に伸ばし、そこから手のひら一枚分下にずらす。

五臓ヨガ

2.左脚は右脚をまたぎ、体を外に開き胸の真ん中とおへそを真横に向ける。首の力を抜いて1分キープ。反対側も同様に行う。

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NG

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上半身が十分に開かず、胸とおへそが下を向いていると効果なし。

できる人は

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左膝を曲げて、お尻の先に足の親指側をつけて体前面のストレッチを深める。

〈プロフィール〉

藤本聡先生

鍼灸師、ヨガインストラクター、シンギングボウル、トレーナー、柔道整復師。大阪・心斎橋「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」で鍼灸・美容鍼灸やパーソナルトレーニングのほか、全国スタジオへの出張、インストラクターやセラピスト向けの講座を開講。五臓ヨガクラスは大阪・豊中の「岩塩ヨガスタジオ  四季」で実施。
「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」Instagram:@sa.to.shi.f @b.happy3104
「岩塩ヨガスタジオ四季」Instagram:@ganenshiki

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取材・文/北林あい
ポーズ写真/藤本聡

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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