サッカー女子W杯のチャンプ、クリステン・プレスが「ヨガと瞑想」を続ける理由

 サッカー女子W杯のチャンプ、クリステン・プレスが「ヨガと瞑想」を続ける理由
(Photo by Michael Chang/Getty Images)

2015年FIFA女子ワールドカップで優勝した際のアメリカ合衆国女子代表チームで、フォワードをつとめるクリステン・プレス。ヨガと瞑想が、アスリートとして活躍にどう役に立っているのか?インタビューに応えてくれた。

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クリステン・プレスは26歳のプロサッカー選手。アメリカ合衆国女子代表チームで、フォワードをつとめる。合衆国女子代表は、2015年のFIFA女子ワールドカップで7月に優勝を決めている。プレスに、ヨガと瞑想が、彼女の生活において「雑念を鎮める」のにどう役に立っているのか、また彼女のアスリートとして活躍にどう役に立っているのか、たずねた。加えて、日に2回のヴェーダ瞑想の習慣についても語ってもらった。

ーー週に3回ヨガプラクティスを行っているそうですが、このことはサッカー選手としてのあなたの活躍にどう役に立っていますか?


ヨガプラクティスによって、私は前よりハッピーなサッカー選手になれたと思います。いろいろと考えてしまうと動けなくなることがあります。雑念のない状態でプレーすることができれば、私はもっと動けるし自然体でいられます。こうした雑念のない<無>の状態を、ヨガと瞑想によって身に付けました。合衆国女子代表チームの中心メンバーでも、キャンプの時に定期的にヨガプラクティスをしたりするんですよ。

ーートレーニングに活かしている特定のヨガポーズはありますか?また、その理由は?

トレーニングを目的としたプラクティスでいちばん重要なのは、股関節を開くポーズ、肩を開くポーズ、ハムストリングを伸ばすポーズです。こうしたポーズは、背中や腰のこわばりを取ってくれます。私はバランスを取るシークエンスが好きですね。木のポーズや戦士 III、半月のポーズといったポーズです。最近新たにウサギのポーズをやるようにしたんですが、これが首のこわばりを取るのにすごく効くんです。

ーーアーユルヴェーダに関心を持つようになったきっかけはあるのでしょうか?

私には妹がいて、チャニング・プレスといいます。彼女がPiece of Peaceという名前のヴェーダに基づいた瞑想の会社を始めたんです。彼女はインドでアーユルヴェーダを学んできて、それを私に教えてくれたんです。

ーーアーユルヴェーダをひとりの女性として、どのように活かしておられますか?またアスリートとしてはどうでしょう?

私の場合、たいていはアーユルヴェーダをストレス解消のために活用していますね。生活のあらゆる側面に関わってきます。人間関係、キャリア、気持ちの調整。そして「<今ここ>に在る」ということのために。私はよく、体の循環を促したり、不安に駆られた考え事を鎮めたりする目的で、ヒートパック(発熱剤)を使ったり、あるいは足をお湯にひたして「足湯」をしたりします。ほかには砂の上や草の上を歩いて、体を根づかせるのが好きです。あと、妹が私にレイキをしてくれます。

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2013年の試合でのクリステン(Photo by Michael Chang/Getty Images)

ーーヴェーダ瞑想は、古代のヒンズー教のヴェーダに由来していますね(ヴェーダとはサンスクリットで「知」を表す語)。この瞑想の持つ働きをもう少し詳しく教えてください。

ヴェーダ瞑想は古来より伝わるもので、あれこれと難しい努力をしなくてもできる、ごく自然な瞑想の形です。この瞑想を一日に2回、1回あたり20分程度、毎日行います。無理のない姿勢で座り、目を閉じて行います。心を落ち着かせるのに役立つので、すぐに効果を感じられると思います。瞑想の間は、決まったマントラを繰り返し唱えます。これによって深いリラクセーションへと導かれるのです。ひとつ注意して欲しいのは、瞑想がもたらすものは必ずしも「幸福感」やリラクセーションだけではないということです。私自身、ストレス解消的で不快な瞑想や、不安で気持ちが移ろってしまい集中できなかった瞑想を、何回か経験しています。これはストレスを取り除いていくプロセスで起きてくることなんです。

ーー世界中があなたに注目し、あなたについてコメントしているわけです。そんななかで、どうやったら集中を保ったり、ミスから立ち直る力を失わずにいられるのでしょうか? 周りの声をシャットダウンして、頭のなかを試合のことだけにしておくための、何かコツのようなものがあるのでしょうか?

私は、瞑想というものは雑念を鎮めるためにこそ存在していると思います。試合中に、外の世界のことや、ほかの人の意見について考える必要はまったくありません。瞑想とヨガは、現在のこの瞬間に何度でも立ち戻って、頭に入り込んでくる雑念の力を奪い取ることによって、集中を保ち、バランスをとるための方法を教えてくれました。

ーーアーユルヴェーダについて、もし、ひとつだけ人々に伝えるということになったら、何を話しますか? 教えてください。

私はきっと妹の話をすると思いますね。彼女は、瞑想によって自分の人生を変えました。それが彼女にとって導きの光となっています。彼女は高校・大学時代、うつ病と闘ってきました。学生アスリートとしてエリートでいなければならないというプレッシャーにさいなまれていたのです。彼女は、今や、ほかの人たちの役に立ち、教える立場になっています。


自分の内側のバランスを取ろう!

彼女はトレーニングの際、バランスを取るシークエンスを好んで行うとのことだった。木のポーズ、戦士 III、半月のポーズといったポーズだ。そのほかのバランスを取るポーズを見つけるにはここで。あなたのアーサナプラクティスの力強い基礎を築きあげていこう!

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by Kristen Dollard
Translated by Miyuki Hosoya



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