医師が解説!女性の人生を左右する「女性ホルモン」の正体とうまく付き合う3つのヒント

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医師が解説!女性の人生を左右する「女性ホルモン」の正体とうまく付き合う3つのヒント

知っているようで、意外と知らない女性ホルモン。月経をおこし、妊娠・出産に関わるホルモンと漠然と把握している人も多いかもしれません。そこで、女性にとって大切な存在である女性ホルモンを今一度、正しく理解するために、成城松村クリニック院長の松村圭子先生に、基本から教えていただきました。

女性の体を司る2種類の女性ホルモン

女性の美しさと健康を守る女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。エストロゲンは「美のホルモン」とも呼ばれ、コラーゲンの生成を促し、髪や肌にハリやツヤを与えたり、丸みを帯びた女性らしいボディラインを作るほか、血管、骨、関節、脳などを健康に保つ働きがあります。一方、プロゲステロンは別名「母のホルモン」。基礎体温を上げて子宮内の血流を促し、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を柔らかくふかふかにし、妊娠が成立すると水分や栄養素を溜め込み、妊娠を維持する働きがあります。

思春期から閉経までの約40年間で分泌さる女性ホルモンの生涯分泌量は、エストロゲンでティースプーン1杯程度とごくわずか。少量でありながらも、女性らしい美しさを生み出し、妊娠・出産に適した体を作る女性ホルモンは、女性の人生を繊細かつ、ダイナミックに彩る立役者なのです。そんな影響力の大きな女性ホルモンが分泌されるのは卵巣。「子宮から分泌されると思ってた!」という女性も多いかもしれませんが、それは間違い。脳と卵巣の連携プレーによって、女性ホルモンは分泌されます。

スプーン1杯
女性ホルモンの生涯分泌量は、なんとティースプーン1杯程度!/Getty Images

「女性ホルモンが分泌される仕組みを説明すると、まずはじめに脳の視床下部が『女性ホルモンを出して!』と指令を送ります。すると脳の下垂体が、その指令をキャッチし、卵巣を刺激するホルモンを出すことで、卵巣からエストロゲン、プロゲステロンの女性ホルモンが分泌されるのです。卵巣の状態は、常に脳にフィードバックされ、その情報を元に、脳は女性ホルモンを出すタイミングや量をコントロールしています」(松村先生)

月経周期内でホルモンバランスが変化

女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンの分泌量は、正常とされる24〜38日以内の月経周期の中で変化し、その変化よって月経期、月経後、排卵後、月経前の4つの期間に分けることできます。ホルモンバランスの変化は、体調やメンタルに影響するため、各期間の特徴を知ることが、女性ホルモンと上手に付き合う秘訣です。

グラフ
女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンの分泌量は、正常とされる24〜38日以内の月経周期の中で変化

 

月経期

エストロゲンとプロゲステロンの分泌力が少なくなる時期。体温が下がって血行が悪くなり、体が冷えやすくなります。体が重だるく感じたり、頭痛など月経痛がおこる人も。気分も沈みがちで、やる気が出にくい状態に。

月経後

エストロゲンの分泌が高まる時期。肌の新陳代謝がよくなり、ツヤツヤな美肌に。体の代謝も上がり、アクティブに活動できます。気持ちも前向きになり、やる気がアップ。ストレスに強く、多少のムリがききやすいタイミングです。

排卵後

エストロゲンとプロゲステロンの変換期。心も体も元気!と思っていたら、急にだるさや憂鬱さに襲われるなど、不安定になりやすい時期。また、皮脂の分泌が活発になり、吹き出物が出きたり、手足のむくみや便秘を招く人も。

月経前

プロゲステロンの影響が強く現れる時期。心身共に不調になりやすく、イライラしたり、落ち込んだり、頭痛、肩こり、腰痛などに悩まされやすくなります。無理をせず、ゆっくり過ごすことを心がけて。

月経周期を正常に保つには、女性ホルモンのバランスを整えることが大切です。そのためには、自律神経のバランスを整えることが重要になるそう。

「実は、女性ホルモンの分泌の司令塔である脳の視床下部は、自律神経の司令塔でもあり、お互いに影響し合っています。そのため、ストレスや不規則な生活などで、自律神経のバランスが崩れると、女性ホルモンにも悪影響が及び、ホルモンバランスを崩すことに。その結果、月経不順や月経痛、月経前症候群(PMS)などの月経トラブルや、冷え、ほてり、むくみ、便秘、頭痛、肌荒れ、抜け毛、イライラ、憂鬱感など、様々な症状を招くことになるのです」(松村先生)

女性ホルモンを整える3つの生活習慣とは?

それでは、この女性ホルモンと上手に付き合うためには、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか? 「ポイントは3つ。①ストレスをためないこと、②ホルモンの原料となる栄養素を積極的にとること、そして③ストイックなダイエットを控えることです」(松村先生)

①ストレスをためない

「前述の通り、ストレスがたまると交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れ、ホルモンバランスにも悪影響を及ぼします。ストレスを感じたら、周りの評価を気にせず、好きなドラマを一気見したり、大好きな漫画に没頭するなど、自分が心からリラックスできることをしてストレスを解消しましょう。特に、月経前は心身共に不調になりやすいので、意識的にゆったり過ごすことが大事。前倒しできる仕事や家事などは、月経後のアクティブな時期に済ませておくのも、ストレスをためないコツです」(松村先生)

②ホルモンの原料となる栄養素を積極的にとる

ホルモンの原料となる主な栄養素は、肉・魚・卵などのタンパク質。必要な量は、肉や魚なら一食で片手のひら一枚分です。これを毎日の食事でバランスよく、積極的にとることで、女性ホルモンのバランスを整えやすくなります。

③ストイックなダイエットを控える

ホルモンバランスを崩すストイックなダイエットとは、体重の1割を1か月で落とすような極端な減量法をさします。

「極端なダイエットを行うと、体が危機的な栄養不足ととらえ、妊娠を避けるために月経周期異常や無月経などを招いてしまいます。ダイエット効果が高いと話題の糖質制限も、過度に行うのはリスキー。糖質を大幅にカットすると心身にかかるストレスが増え、自律神経のバランスが崩れやすく、自律神経と一心同体の女性ホルモンのバランスも乱し、様々なトラブルを招きます。健康的なダイエットを行うには、タンパク質などをバランスよくとり、代謝を上げながら、ヨガなどて適度な運動を行うことが大切ですね」(松村先生)

女性が毎日を快適に過ごすには、女性ホルモンのバランスを整えることが必須。この機会に、ホルモンバランスを見直し、女性ホルモンを味方につけて、充実したライフスタイルを送りましょう。

教えてくれたのは…成城松村クリニック院長 松村圭子先生
日本産科婦人科学会専門医。広島大学医学部卒業。広島大学附属病院などの勤務を経て、現職に。若い世代の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を心がけ、アンチエイジングにも精通している。生理日管理を中心としたアプリ・ルナルナの顧問医。西洋医学のほか、漢方薬、サプリメント、各種点滴療法なども積極的に治療に取り入れている。新著に『これってホルモンのしわざだったのね』(池田書店)

松村圭子先生
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text by Minako Noguchi

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