安眠を妨げる「心の緊張」…身体のどこに存在するの?【ヨガと睡眠 ♯10】】

 安眠を妨げる「心の緊張」…身体のどこに存在するの?【ヨガと睡眠 ♯10】】
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井上敦子
井上敦子
2019-08-07
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心が緊張しているときに緩めたいヨガ的『身体』はどこ?

話を最初に戻しましょう。『心が緊張状態にある』と感じた時、その緊張はどこにあるのでしょうか?それは、上記でいうヨガ的身体の『マノマヤコーシャ』に存在します。感情と思考から構成されるマノマヤコーシャという身体に、心の硬さは存在するのです。また、5つの身体は互いに影響し合っているので、心の硬さは肉体の緊張として表面化することもあります。逆に、肉体の疲れや緊張が心や感情に影響を及ぼすことも。ヨガ的身体の考え方では、心と肉体は密接に繋がっているのですね。

ヨガの練習は、アーサナ(肉体を動かす練習)のような動的な練習と、ヨガニードラや瞑想の練習といった静的でより繊細な練習に分かれます。そしてそれぞれの練習には、得意分野があります。アーサナの練習は主に肉体に、ヨガニードラや瞑想の練習は主に心や感情にフォーカスをしていきます。そして更に、その一つ一つの練習は互いに影響し合い、相乗的な練習効果を生み出していくのです。従ってヨガの練習は、動的な練習と静的で繊細な練習に偏りを持たずに進めていくことが大切です。ことさら、心に硬さを感じていたり、身体を緩めてもリラックスが難しい場合は、ヨガニードラや瞑想の練習に取り組むことをオススメします。ヨガの練習を偏りなく進めていくことで、必要なリラックスは必ず訪れます。安眠を得るためにも、リラックスを広げていくためにも、ぜひヨガの練習を続けていきましょう。緊張が強い場合は時間がかかるかもしれませんが、根気強くご自分と向き合いながら、結果を急がずにヨガの道を歩んでいって下さい。

今回をもって【ヨガと睡眠】の連載は終了となります。お読みいただいた皆様にお礼を申し上げます。皆様のヨガが、更に豊かに深まっていくようお祈り申し上げます。ありがとうございました。

ライター/井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。Instagram:@yoga_atsuko.inoue

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