「一人ひとりの満足度を追い求めてきた」|浅野佑介さんの転身ストーリー

 「一人ひとりの満足度を追い求めてきた」|浅野佑介さんの転身ストーリー
Kenji Yamada
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――先ほど伺った、ヨガ指導にも通じている販売員時代の接客姿勢とは?それはブレイクのきっかけにもつながりますか?

ヨガ講師になりたての頃は、クラスのために台本を作り一字一句その通りに進め、一方通行でした。個々と向き合うには程遠かった。だから生徒さんは集まらず、その失敗から販売員時代にやっていた対話を通して満足度を追求する接客姿勢に立ち返ったんです。僕の販売スタイルは、たとえばランニングシューズを買いに来た人の足の癖を知るため、仕事や生活スタイルまでヒアリングしていました。『すべてはお客様のために』という会社の理念を無意識のうちに実践していた感じ。そのうち「浅野さんいますか」と指名のリピート客が増え、ついには社内の接客コンテストで優勝してしまったんです。ヨガ指導では、レッスン前に全員のコンディションを聞いて複数のアレンジポーズを提案し、最適なポーズ法を生徒自身が選べるようにしたんですね。個々に配慮したレッスンは満足度が高いと喜ばれました。次第に口コミで生徒さんが増え、3名だったクラスが20名になりリピート率も上がっていきました。

クラス作りのモットーは、自分がけがでヨガを始めたので、痛みがある人も全員が楽しめること。それは今も変わっていません。自分に合うポーズ法を選べるクラスで、「自発的に動く力と自立する力」を生徒さんに身に付けてほしい。僕は立場的に先生と呼ばれるけど、自分の考えを押し付けたくないし、上から目線で接しないようにしています。「自分の生徒」という言い方も好きじゃないですね。だって、生徒さんは先生の所有物ではないと思うから。生徒さん一人ひとりの意思や個性を尊重し、全員が満足するクラス作りをこれからも続けていきたいです。

浅野佑介
Photo by Kenji Yamada
浅野佑介
400ポーズを収めた洋書『yoga resource』は、シークエンスの構成や自主錬の組み立てを考える際に重宝。長年愛読しているポーズのバイブルのような一冊だそう

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by Ai Kitabayashi
Photos by Kenji Yamada



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浅野佑介
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