冬にやりがち【牛乳】レンチン&光に当てないで!その理由を管理栄養士が解説

 冬にやりがち【牛乳】レンチン&光に当てないで!その理由を管理栄養士が解説
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寒い冬は、ホットミルクがおいしい季節ですね。温めればお腹が弱い人でも安心して飲めたり、寝る前に飲むと寝つきがよくなったりと、体に優しい効果が感じられます。カルシウムやたんぱく質などが豊富な牛乳。これらの栄養素はレンジで加熱したり、光に当ててもあまり失われません。しかし、ビタミンB群だけは別なんです。今回の記事では、牛乳をレンジで加熱・光に当てると失われるビタミンB群についてお話します。

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牛乳は吸収率の良い優秀なカルシウム源

カルシウムを補給するために牛乳を飲んでいるという人は多いと思います。もともとカルシウムは体内への吸収率が低く、小魚で約3割、野菜では2割以下しか吸収されません。しかし、牛乳のカルシウムは、乳たんぱく質であるカゼインという物質と結びつくことで吸収されやすくなっていて、約4割も吸収してくれます。また、飲み物として摂取できるので、調理しなくてはいけない食材よりも手軽に継続できるのも魅力です。

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牛乳に含まれるビタミンB群とは?

牛乳にはカルシウムの他に、ビタミンB2ビタミンB12が豊富に含まれているって知っていましたか?ビタミンB2は、エネルギー代謝に深く関わる栄養素です。炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素をエネルギーに換えるサポートをする働きがあります。特に脂質の代謝を助けてくれるビタミンです。また、体内の脂質がストレスや紫外線などによって酸化した過酸化脂質を消去したり、皮膚や粘膜を守る働きもあります。

ビタミンB12は、造血ビタミンともよばれ、赤血球が生成されるときにヘモグロビンが合成されるのを助ける補酵素です。葉酸とともに働き、貧血を防いでくれる働きがあります。また、神経系の機能維持を担っていて、睡眠障害やアルツハイマー病、動脈硬化の発症予防などにも関連があるとして注目されています。紫外線による影響から肌を守ってくれたり、貧血の予防をしてくれたりと、とくに女性は積極的に摂りたいビタミンであることがわかりますね。

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ビタミンB群を守るにはレンチン&光に当てないで!

ビタミンB12は急激な温度変化に弱い性質があります。通常、電子レンジでの加熱は栄養を失いにくいものですが、ビタミンB12は一気に温めることでビタミンが破壊されて減少してしまいます。何分もレンジで温めるのは避けた方がいいでしょう。鍋での加熱はビタミンの損失を防ぐことができるので、時間があるときはできるだけゆっくり温めることをおすすめします。

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また、ビタミンB2は光に弱い性質があります。ガラス瓶にいれて4時間放置すると6割程度も減ってしまうのです。蛍光灯の光でも1割程減少してしまいます。室温が低い冬は、コップに入れたまま放置してしまいがちです。とくに光を受けやすいガラスのコップに入れての出しっぱなしは避けましょう。

おわりに

牛乳に含まれるビタミンB群は、私たちの健康を維持してくれる重要なビタミンです。ホットミルクを作るときはひと手間かけて貴重な栄養素を逃さないようにしていきたいですね。

【参考文献】
もっと知りたい!牛乳のチカラ/農林水産省
完全版その調理9割の栄養捨ててます!/世界文化社

【ライター】やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。

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