「卵の値段高騰」にどう対処する?卵の代用品7選|管理栄養士のおすすめ

 「卵の値段高騰」にどう対処する?卵の代用品7選|管理栄養士のおすすめ
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かつては「物価の優等生」と言われた卵も様々な原因により値段が上がり、価格の安定はまだ時間がかかりそうです。この記事ではたまご1個当たりと同等のたんぱく質を含むおすすめの食品を7種類管理栄養士が解説します。

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なぜたまごは値上がりした?

今年度は全国各所で記録的猛暑日が続いたことでニワトリが夏バテ状態となり健康被害が出てしまい、卵の大きさや産卵数の減少に繋がったようです。また飼料価格の動向も原因とされています。国産の卵は飼料のほとんどを輸入に頼っており、海外の飼料の価格の上昇も関係しています。一般的に卵は夏よりもクリスマスや年末などイベントの多い冬場に需要が増加する傾向にあるため、卵の価格が落ち着くまでまだ時間が掛かりそうです。

たまごの栄養は?

卵のイメージ
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卵はたんぱく質を始めとして脂質、ビタミン、ミネラルもバランスよく含む非常に栄養価の高い食材です。たまごに含まれる栄養素を細かく見ていきましょう。

たんぱく質・脂質

卵の代表的な栄養素であるたんぱく質は必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質なたんぱく質と言われています。脂質は摂りすぎると肥満の原因となりますが、たんぱく質や炭水化物と同様にエネルギーを生み出します。また細胞膜やホルモンを構成する成分でもあり、生命維持に欠かせない栄養素です。たんぱく質は卵白に、脂質は卵黄に多く含まれます。

ビタミン

たまごには脂溶性ビタミンも水溶性ビタミンもバランスよく含まれますが、特に豊富なビタミンはビタミンAとビタミンDです。ビタミンAは目の健康や皮膚、粘膜の健康維持に役立ち、抗酸化作用も持ちます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け骨の健康に関わるビタミンです。

ミネラル

ミネラルもカリウム、マグネシウム、リンなど種類豊富に含まれています。特徴的なミネラルは亜鉛、葉酸、鉄です。亜鉛はたんぱく質の合成にも関わるミネラルで、不足すると味覚障害を引き起こします。葉酸は赤血球の生成に関わり、胎児の発育に関わる栄養素でもあるため妊娠中の方は充分に摂取することが必要な栄養素です。鉄も赤血球に含まれる色素たんぱく質ヘモグロビンを作り、造血に関わるミネラルです。鉄が不足すると体中に酸素を届けることができず、めまいや疲労を感じやすい鉄欠乏性貧血となります。

その他

卵黄にはグルタミン酸といううま味成分が含まれます。たまごが茹でる、焼くといったシンプルな調理方法や味付けでも美味しいと感じるのはうま味成分が入っているおかげです。

たまごの代わりにたんぱく質を補給できる食材は?

ここからはたまごと同等のたんぱく質が摂れる代用可能な食材を1食当たりの量に換算して紹介します。

木綿豆腐1/3丁(100g)

エネルギー、脂質、リン、鉄、亜鉛などが卵と同程度含まれています。カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB1が卵より豊富です。お菓子作りでも卵の代用としてよく使われます。絹豆腐は良く混ぜてお菓子作りに、木綿豆腐は崩しておかずづくりに向いています。使い方の多様性で言えば一番たまごに近い食材かもしれません。

大豆水煮(50g)

大豆は豆腐の原材料なので豆腐と似た栄養成分を持ちます。リン、ビタミンB6、葉酸をたまごと同じぐらい含み、炭水化物とカリウムがたまごより多く含まれます。豆腐より水分量が少なく、噛み応えがあります。そのまま食べても良いですが、潰してひき肉と混ぜて使うのもおすすめです。

納豆1パック(40g)

カルシウム、亜鉛、ビタミンB1、B2をたまごと同程度含みます。納豆も主な原材料は大豆となりますが他の大豆製品に比べてビタミンKと葉酸を多く含みます。善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれることから卵にはない健康効果を持ちます。

無糖ヨーグルト(200g)

亜鉛、銅、葉酸をたまごと同程度含みます。カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルをたまごより豊富に含みます。ヨーグルトは水分が多いですが程よく粘度があるのでお菓子作りにも向いています。

ちくわ約2~3本(50g)

カルシウム、マンガン、セレンをたまごと同程度含みます。白身魚を原料として作られるちくわはナトリウムが豊富に含まれるのと、卵には含まれないビタミンCも含まれます。塩分量が多く、イノシン酸といううま味成分も含むのでそのままやシンプルな調理方法でもおいしく食べられる食材です。

ロースハム約4枚(40g)

ナトリウム、カリウム、リン、ビタミンCを多く含みます。ロースハムは加工肉の中でも脂質が少なく、たんぱく質と脂質のバランスが良いです。たまごと一緒にハムエッグとして朝食で食べられることも多いですが、そのままでももちろん、焼くだけでもおかずになる食材です。

素炒りピーナッツ(20g)

リン、亜鉛、パントテン酸、ビオチンをたまごと同程度含みます。カリウム、マグネシウム、ナイアシン、モリブデン、脂質をたまごより多く含みます。調理もなくおやつ感覚で食べられる便利な食材です。

〈参考文献〉

index-1125.pdf (maff.go.jp)

食品成分データベース (mext.go.jp)

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AUTHOR

田中ひろか

田中ひろか

管理栄養士。 保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。 バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。 食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。 現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。



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