マインドフルネスを成功させる4つの基礎的手法
ストレス対策としても世界中から注目を集めているマインドフルネス。瞑想をベースにしており、「今この瞬間」の現実に気づきを向け、現実を自覚し、それに対する思考や感情にとらわれないというプログラムだ。ヨガ指導者フランク・ジュード・ボッチョが、マインドフルネスの基礎となる4つの手法を、体を使ったポーズを通して説明する。
1.体へのマインドフルネス
マットに上がるとき、マインドは、過去、未来を問わず、その日の出来事のことでいっぱいだ。第1の手法では、意識を体へ集中し、今の瞬間へ注意を向けることが求められる。そこへの入り口は、現在への集中を持続する助けとなる呼吸だ。まずは、息を吸ったり吐いたりするときの上下の動きにただ注意を向けるところから始めよう。その次に、意識を繊細に働かせていき、呼吸に動きを同調させる。体のポジションによって呼吸がどう変化するのかに気づくように。例えば、ブリクシャーサナ(木のポーズ)で、バランスを保とうとして呼吸が止まっていないかに注意しよう。
2.感覚へのマインドフルネス
第2の手法では、批判したり反応したりせず、心地よい感覚と不快な感覚に気づくことが求められる。この手法をアーサナにとり入れると、不快感と痛みの違いを判断しやすくなり、ケガを避けることができる。「生まれてくる感覚を押しのけるのではなく、常に注意を向けていくことで、探求しようとするマインドを持ち続けることができるんだ」とボッチョは言う。ポーズで喜びも痛みも感じないときにボッチョがすすめるのは、退屈な気持ちに意識を向けることだ。何かを行って刺激を生み出そうとして、ストレッチを強めたりすると、それがケガとなるリスクもあることに注意しよう。
3.マインドへのマインドフルネス
これは思考の認識が関わってくる手法で、仏教では「行」と呼ばれている。プラクティス中のマインドは、しばしば好きなポーズに固執し、好きでないポーズをとるときに緊張を生み出す。この手法では、マインドから「腕が痛い」「嫌な先生だ」という声が聞こえだしたとき、それを観察することが求められる。マインドへのマインドフルネスを行うときには、そういった思考を解放し、条件付けられた反応と認識して現在へと戻る。例えば、ハイランジを行っているとき、マインドが「太腿がものすごく痛い、もうダメだわ」と繰り返す様子を観察してみよう。反応せずに、ただ1つの思考として認識すれば、必ずしもそれを信じる必要もなくなる。
4.ダルマへのマインドフルネス
第4の手法、ダルマ(教えもしくは真実と定義される)へのマインドフルネスは、常に変化している体、感覚、マインドへの意識を持続し、すべては変化するという無常観の真実を認める繊細なプラクティスだ。アーサナのプラクティスをずっと続けていると、ポーズからポーズへと移るときの呼吸の変化から、心の落ち着きや体の老化といった長い期間を経て変わっていくものまで、無常を示し出すさまざまな変化をたやすく見てとることができる。プラクティスを通じて、すべては変化し続けることがわかると、「理想的な」体を手に入れたり、完璧な伴侶を得たり、正しい資質を備えようとしたりすることへの執着を楽に手放せるようになる。また、苦しい状況も最終的には過ぎ去り、新しいものへとって代わることも理解できるようになる。「すべての現象は長続きせず、固執すべきことは何もないとわかるようになる」。ボッチョは言う。「それが解放ということ、安息の境地へ達するということなんだ」。
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