世界初「木のストロー」が生まれた背景にある日本の森林問題とは|開発者たちが語るストーリー

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環境問題や社会問題、商品の背景やストーリーで商品を選ぶ時代へ

ーーさまざまな反響が広がっているようですが、お2人としてはこの商品開発がどんな転機になっていて、今後はどんな夢を描かれていますか?

竹田:私は記者一年目の2011年に、東日本大震災の被災地取材を機に、気象庁担当となり災害報道を続ける中で、特に気象災害において原因は気候変動との関わりが大きいことも感じます。そのなかで、このストローを手に取った方が林業、海のプラスチック汚染、障害者福祉などについて考えるきっかけになれているようでとても嬉しいです。ちょうど2021年1月から、欧州EUでは使い捨てプラスチックの使用が全面禁止になることもあって、フランス・パリなどでも木のストローを使えないかという問い合わせをもらっているんです。もちろん、これだけでさまざまな問題が解決するわけではないんですが、私個人としても今年は子供も生まれたばかりで、できれば「使い捨てプラスチックを知らない子供たち」になってもらいたいとも強く感じたんです。他にも、今はコロナ禍の背景で食糧過多によるフードロスも急増しているので、今後もそうした問題を解消できるような商品を考えていきたいなと思っています。

西口:私は昨年G20に参加したとき、これからの社会は環境問題の解決やSDGsに取り組んでいない企業は淘汰されていくんじゃないかなって、すごく感じたんですね。と同時に、SDGsに積極的に取り組む企業もどんどん増えていて、小学生でさえもSDGsを学校で学んでいる今、その子供たちが社会人になったときは、SDGsへの貢献度を指標に企業を選ぶかもしれない。そう考えると環境への配慮はこれから大きな軸になっていくと感じています。この開発を始めたときは、教材として授業で使ってもらえたり私が講演するとは思ってもいなかったし、今年は開発秘話を綴った『木のストロー』(扶桑社)も出版したんですが、私が本を書くだなんて想像すらできなかった(笑)。でも今後も私なりに伝えていけたらとも思いますし、木のストローは機械さえあれば外国でもできるので、現地の林業や雇用にも貢献できる形で海外にも広められたら、と思っています。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by Ayako Minato



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