世界初「木のストロー」が生まれた背景にある日本の森林問題とは|開発者たちが語るストーリー

 世界初「木のストロー」が生まれた背景にある日本の森林問題とは|開発者たちが語るストーリー
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ーー最後に、環境問題をもっと身近に感じたり、サステナブルやエシカルなアクションを増やすために、お2人からアドバイスをいただけますか?

竹田:そうですね。日本ではまだまだ、環境保護というと森に暮らすヒッピーや意識が高い人たちだけ、さらには反原発、反自民党といった人たちがやること、というイメージが強いように思います。でも海外では日常のごくごく当たり前に、多くの人が自分のライフスタイルの中に環境への配慮を取り入れていて。ご飯を食べて歯磨きして、そんな時間に環境に良いものを取り入れています。日本でも、たとえばひと昔前は道端やお店でタバコを吸うことが当たり前でしたが、今では堂々とタバコを吸うなんてあり得ない時代。環境問題やサステイナブルについても、海外のように「環境に優しいことってクールでカッコいいよね!」くらい、もっというと「え、やってないの? ダサいね」くらいのイメージ作りが、日本でも必要だなと感じています。その波を作るのは企業やマスコミの力と責任でもありますが、消費者の皆さんも安さに走らず、商品の背景やストーリーで選んでもらえたらって思います。

西口:竹田さんがおっしゃるように、やはり価格はネックの一つで、プラスチックストローと木のストローで比べると、確かにプラスチックのほうが安価。ですが、環境負荷で比べると大きな差があります。最近よく「環境負荷が違うものを同じ土俵で比べること自体が間違い」という声ももらうんです。住宅に例えると、欧州ではAパターンの家とBパターンの家を比べるとき、当たり前に環境負荷も提示されていてそのぶん価格も違う。日本でも、完成品だけで判断するんじゃなくて、背景まで判断基準に入れて選んでもらえたら。最近は「環境に良いもの=自分にとっても良いもの」という認識が広まっているようにも感じるので、そうした目線を持ちながら楽しんでみてもらえたらと思います。

お話を伺ったのは...

竹田有里さん

竹田友里
竹田有里さん

環境ジャーナリスト。TOKYO MXでニュースキャスター、社会部・政治部記者を歴任。災害報道や環境番組を制作した後、フジテレビの環境ドキュメンタリー番組「環境クライシス」の記者として企画制作・出演。雑誌・ウェブページでも執筆。文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!」でサブキャスター・記者としても活躍。

西口彩乃さん

西口彩乃
西口彩乃さん

1989年、奈良県生まれ。大学卒業後の2012年、木造注文住宅会社の株式会社アキュラホームに入社。 大阪支店での営業職を経て、2014年より新宿本社にて広報を担当。2018年から開発に携わった「木のストロー」が、ウッドデザイン賞(優秀賞 ―林野庁長官賞)、キッズデザイン賞、グッドデザイン賞(私の選んだ一品 ―2019年度グッドデザイン賞審査委員セレクション選出)、グッドライフアワード(環境アート&デザイン賞)、地球環境大賞(農林水産大臣賞)など、さまざまな賞を受賞。2020年10月には著書『木のストロー』(扶桑社)を刊行。

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Text by Ayako Minato



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