【薬物中毒、母の死、事故による片脚切断…】ヨガに出会い「僕から自信を奪ったもの」を許せるまで

 【薬物中毒、母の死、事故による片脚切断…】ヨガに出会い「僕から自信を奪ったもの」を許せるまで
Robert Sturman
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出所後の社会復帰問題について

僕が育った地域では、警察の取り締まりや収監が過剰に行われていた。僕の母も収監されたし、弟も過去11年の間、刑務所を出入りしていた。叔父は人生の半分を刑務所で過ごした。今の社会と刑事司法制度では、人々が法律を破って有罪判決を受けると、自治体や連邦政府の刑務所に収容され、出所したら、また地域に戻って仕事をするように期待される。だがこれにはあらゆる障壁があって、彼らの社会復帰を難しくしている。たとえば、重罪の判決を受けた人はなかなか仕事に就けない。住居探しも深刻な問題だ。出所しても犯罪歴のせいで住む家が見つからない、あるいは借りる資格が得られない。そうなるように、社会のシステムが意図的に作られているんだ。

警察と刑務所の変革

このシステムは特定のグループの権利を剥奪するように作られていて、その狙い通りに機能している。だから人々が「修正が必要だ」と言うと、僕は、何を修正するのか?と尋ねるんだ。システムは意図された通りに機能しているのだから、修正ではなくシステム自体をなくして、一人一人が新たに作り直す心づもりが必要だ。僕はビジョナリーではない。

変化を起こす仕事をしたいけれど、この国に警察や刑務所がなかったらどうなるかについては、ビジョナリーたちに聞く必要がある。ほとんどの人はその推測ができないからだ。だけど僕たちには常に警察や刑務所が必要なわけじゃない。なくても社会の調和は保たれる。確かにアメリカ社会は独特だ。多様な文化や信念体系のせいで変化を起こしづらいけれど、決してそれは不可能ではない。

Winni Wintermeyer
Winni Wintermeyer

自分の身体に自信を持つ

僕は17年前に事故にあって以来、過去数年を除いて絶対に短パンを履くことはなかった。義足を見せるのがすごく嫌だったからだ。人に見られると、彼らが何を言うのか、何を思うのか、気が気でなかった。でもハワイを訪れた時は平気だったんだ。短パンを履いても周りの目が気にならなかった。でもここベイエリアではそれができなかった。不安を克服したくても、その方法がわからなかった。何年もの間、僕は親しい人たちとそれについて話をしながら、不安を克服するストーリーを頭の中で描いていた。

ある日僕は、短パンを履いてベイエリアでハイキングに出かけてみた。トレイルには誰もいなかった。その後はバークレーのダウンタウンに向かい、昼食をとることにした。僕はスウェットパンツに履き替えずに、短パンのままでレストランに行くことにした。予想通り人から見られたし、子どもたちは何かを言っていたけれど、自然なことだと思えたし、あまり気にならなかった。それは頭の中でずっと思い描いていた待ちに待った瞬間だった。それからは、どこにいくにも短パンを履くようになり、気持ちがどんどん楽になった。むしろ今は短パンでいる方が好きだ。かつて僕から自信を奪ったものから、今は力をもらっている。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Criminal Justice Advocate and Yogi Steven Medeiros is Taking Life's Challenges in Stride

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By Lindsay Tucker
Translation by Sachiko Matsunami

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ヨガジャーナルアメリカ版

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全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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