「自分だけは大丈夫!」と思い込んでしまうのはなぜ?認知バイアスとは何か

 「自分だけは大丈夫!」と思い込んでしまうのはなぜ?認知バイアスとは何か
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石上友梨
石上友梨
2020-04-19
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同調バイアス

私たちが行動を決める時に、周囲の人の行動を観察し、周りの人と同じ行動を取ってしまうものです。例えば、スーパーで周囲の人が納豆をたくさん買っていたら、「なぜ納豆を買うのか」という理由は分からないまま、「とりあえず買ってしまう」といったものです。

確証バイアス

自分の考えが正しいとする証拠ばかりを探してしまい、矛盾する情報に注目しない傾向のことです。証拠ばかり探してしまうので、自分の考えを信じる度合いがより強くなってしまいます。

例えば、自分がコロナウイルスにかからないと考えている場合、「若者はかかりにくい」「この地域ではまだ発生していない」など、ウイルスにかからないという情報ばかり探してしまい、「若者でもかかる可能性は同じである」など矛盾した事実には注意が向きづらくなります。

根本的な帰属の誤り

自分の身に起こったことは状況の問題にしやすく、同じことが他人に起こった場合には、その人の性格の問題だと考えてしまうことです。

例えば、自分がコロナウイルスにかかった場合は、「会社の飲み会で止むを得ず〇〇に行ったからだ」「電車の中にすごい咳をしている人がいたからだ」と考えやすい一方、他人がコロナウイルスにかかった場合は、「ちゃんと手洗いマスクをしないいい加減な性格なのだろう」「自己管理を怠ったからだ」と性格などのせいにしてしまいます。

今回は新型コロナウイルスの例を使って、認知バイアスについて紹介しました。私たちはふだん様々なバイアスに惑わされています。しかし、現在の危機的な状況で、認知バイアスによって判断を誤ってしまうと、時に大きな後悔につながってしまいます。なるべく客観的なデータや根拠に基づいた正しい判断をするように意識してみましょう。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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