POSE & BODY
決まった大きさの力を出す難しさ|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
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この実験で、左右の力加減を正確に再現できる人はほとんどいません。なぜなら、基本的に人間は左右どちらかを利き手にして生活をし、利き手の感覚と出力が非利き手よりも優れているのが普通だからです。普段から繊細な動作をする手では、より繊細に、普段から大きな力を出す手では、より大きな力のコントロールが可能になります。そう脳が学習してきたのです。
左右の力だけではありません。
全身のどこでどの程度の力を出すか、という能力は、経験に依存しています。左右の足でも差がありますし、細かい関節の角度をコントロールする際も普段から使っていない部分のコントロールは難しいのです。初めて非利き手で箸を持つときにはぎこちなく肩周りや体幹まで不自然な動きになるでしょう。
動作一つ一つが、個々人の生活習慣やこれまでの人生での運動経験など、様々な要素が複雑に絡まった筋の出力の結果です。ヨガのように大きな関節運動を伴う動作では特に、最初は左右対称が難しくて当然です。右の動き、左の動き、それぞれでどの関節がどのように動くかを比較することが、動作の癖を見抜くポイントにもなってきます。
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