休んでもリラックスできないとき【心身に穏やかさを取り戻す8つのヒント】

 休んでもリラックスできないとき【心身に穏やかさを取り戻す8つのヒント】

体をゆっくり動かしても、心が落ち着かないとき、穏やかさを取り戻すヒントをご紹介します。

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リラックスするためにもっと積極的な練習が必要!?

長い静止状態は多くの人にとって深いリラックスをもたらしますが、人によっては、長時間静止してプラティヤハーラ(自分自身の感覚器官が外側に向かないように内側にしまい込む)の状態に入ると、混乱や苦痛を感じることがあります。これは、時間と空間の中で自分の肉体を認識する「プロプリオセプション(自己受容感覚)」が失われているためかもしれません。皮膚、関節、筋肉組織、筋膜にある固有受容器が刺激されると、脳は体の位置や体の動きに関する情報を受け取ります。しかし、動きがない、つまり情報がないということは、人によっては混乱を招くことになります。これに関連して、肉体が静止している間、心はより活発になる(あるいは少なくともそのように見える)ことがあります。気が散らないため、今まで抑えていた考えや感情が表に出てくることがあるのです。

だからといって、リストラティブヨガをやってはいけないというわけではありません。実際、つらいとき、不安なとき、慢性的なストレスがあるときは、リストラティブヨガの実践が特に効果的です。頭の中で思いがぐるぐる駆け巡る、あるいは不安なときは、リラックスすることで身体の緊張を和らげ、自分の反応をコントロールすることができます。とはいえ、私たちには個人差がありますから、リラックスするためにもっと積極的な練習が必要かもしれないことに留意してください。自分のニーズに合わせて練習を調整するためにできることはありますが、自分にとって正しいと感じることを行うことが重要です。ここでは、いくつかの提案をご紹介します。

1.動きを取り入れて体をほぐす

リストラティブ・ヨガの練習を始める前に、キャット&カウのフロー、座位でのスパイナル・ローテーション、ツイストなどの動きを取り入れてみましょう。

2.漸進的筋弛緩法を試す

漸進的筋弛緩法は、体の筋肉を緊張させ、その後リラックスさせるというものです。リストラティブのポーズをとる前にこの方法をとると、リラックスしやすくなるかもしれません。

3.ポーズをホールドする時間を短くしてみる

どのポーズを練習するにしても、まずは1分や8呼吸といった短い時間から始めるとよいでしょう。

4.目を開けたままにする

目を覆うのではなく、アイラインの中にあるものに視線を優しく向けましょう。視線を柔らかくすることで、目の周りの筋肉をリラックスさせることができます。

5.体に重みを加える

ブランケットをかけたり、折りたたんだ毛布を体に当てたり、体の一部を毛布で包んで抱きしめるようにすると、抱かれているような感覚を得ることができます。これは、プロプリオセプション(自己受容感覚)を刺激することにもなります。

6.足裏を接地する

足裏を壁やソファーの底、ブロック、ハードカバーの本などの表面に接触させることで、より地に足が着いた感覚を作り出すことができます。例えば、壁に足をかけるポーズのバリエーションで足の裏を壁につけると、体は仰向けでもしっかりした地面に立っているような感覚になります。

7.練習にマインドフルな動作を取り入れる

心地良く、また安全であると感じられるなら、ポーズをとっている間に、穏やかでマインドフルな動作を取り入れましょう。これは、ポーズへ移行する際に落ち着く方法として行うこともできますし、ポーズをしている間に必要に応じて行うこともできます。例えば、ポーズによっては、手首や足首を軽く1周させたり、頭を軽く左右に回したり、手のひらを下に向けたり、上に向けたりすることができます。また、呼吸と動きを連動させながら行うこともできます。例えば、手のひらを上に回しながら息を吸い込み、手のひらを下に回しながら息を吐きます。

8.優しさは自分から始まること覚えておこう

とりわけ、自分自身への優しさ、自分自身への思いやりが鍵です。練習は競争ではありません。1つの正しい方法はありません。何が自分にとって正しいと感じるかは、日によって異なることがあります。頭の中の非難する声は真実ではありません。深く愛している人への接し方を考え、同じように自分自身をケアしてください。

教えてくれたのは・・・パウラ・ハインズさん
パウラ・ハインズさんは、ロンドンを拠点に活動するシニアヨガティーチャー、リラックス&リニュー・アドバンストレーナー。元テレビ局員で、BBCの脚本家でもある彼女は、Om Yoga Magazine(オーム・ヨガマガジン)のコラムニストでもある。この記事は、彼女の著書『Rest + Calm: Gentle Yoga and Mindful Practices to Nurture and Restore Yourself(レスト+カルム:自分を育み、回復する優しいヨガとマインドフルの実践)(Green Tree刊、2022年)』から抜粋したもの。

ヨガジャーナルアメリカ版/「When Rest Doesn’t Feel Relaxing

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By PAULA HINES
Translated by Hanae Yamaguchi

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ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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