秋はアレルギーやお肌のトラブル、便秘などの症状が出やすい?中医学の知恵を生かした秋の季節の養生法

 秋はアレルギーやお肌のトラブル、便秘などの症状が出やすい?中医学の知恵を生かした秋の季節の養生法
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竹内結子
竹内結子
2022-09-01

日本列島は細長く北と南では気温差や気候、季節感の違いもあると思いますが夏から秋の季節へとシフトしています。中医学の知恵を生かした秋の季節の養生法をお伝えします。

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秋はいつからいつまで?

暦の上で秋の季節は「立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降」8月上旬から11月上旬までをいいます。8月、9月は残暑を感じる日も続きますが自然界は少しずつ変化をしながら秋へと向かいます。四季の変化は私たち人も影響を受けています。夏は陽気が真っ盛りに気も旺盛になっている季節です。盛んな陽気は少しずつ減少してゆき心身が落ち着き「秋収」(しゅうしゅう)収める季節となります。「秋分」では昼と夜が同じ長さになります。秋は少しずつ陰の気を養う「少陰」(しょういん)の季節となります。

秋は肺、大腸とつながる

「肺」は潤いを喜んで乾燥を嫌う「喜潤悪燥」(きじゅんあくそう)という性質をもちます。人は自然界の一部であり繋がっている「天人合一」(てんじんごういつ)と古代から伝承され自然界が乾燥すれば私たちの身体も乾燥してくると考えます。これから深まる秋に備え胃腸系を整え、夏に暑さや汗で失った気血や津液(しんえき)を補い「肺」「大腸」が弱体しないように整えてゆきましょう。(津液とは体内の水液のことをいいます)

どんな不調がでやすい?

鼻やのど、秋に出やすいアレルギーやお肌のトラブル、便秘などに注意しましょう。中医学では「肺」は「主気」(しゅき)という作用から体内の気や呼吸をコントロールしています。鼻、のど、肺、大腸、皮膚や体毛、正義感、悲しい感情ともつながりをもちます。「肺」は五臓の中で最もデリケートなお嬢様のような存在「肺は嬌蔵(きょうぞう)」と伝えられています。昔、中国では皇帝など身分の高い人が外出をする際に雨や風や日差しなどから守るために差し掛けられた大きな傘を「華蓋」(かがい)といい「肺」は五臓の一番上から傘を広げて心を守っているかのように働くといわれています。「肺」は月に市と書きますがこの「市」という漢字は傘のような形を表しているそうです。

あてはまる人は気を付けよう

□鼻に吹き出物ができやすい
□鼻水、鼻づまり 鼻炎になりやすい
□風邪をひきやすい
□皮膚にトラブルが起きやすい
□便秘しやすい
□声が小さい
□白黒はっきりさせないと気がすまない
□悲観的

秋の食養生

白い色の食材を積極的にとり入れよう

「滋陰潤肺」(じいんじゅんぱい)肺をうるおし滋養します。
大根、山芋、レンコン、豆腐、もやし、梨、りんご、芋、白きくらげ、百合根など白い食材を積極的に取り入れてみましょう。肺、大腸は乾燥に弱く潤いを好みます。
秋は辛味(しんみ)もおすすめです。ネギ、大根、らっきょうなど辛味は肺、大腸の働きを促します。取りすぎると「肝」を弱めるので注意しましょう。

秋の生活養生

早寝早起きを心がけ夏の疲れた身体の養生をしましょう。「肺」を元気に保つためには新鮮な空気をたくさん取り入れ空気がきれいな朝のウォーキングや深い呼吸のヨガがおすすめです。中医学はのどが渇いてから井戸の水を掘るのではなく、のどが渇く前に井戸の水を掘っておく予防を大切にしています。収穫の秋は植物や穀物だけではなく、私たち人も春や夏に頑張ってきた成果が実を結ぶ時期であるかもしれません。こころ身体にも健やかな秋を過ごしましょう。

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参考図書 中医養生ヨガ®テキスト

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竹内結子

竹内結子

ヨガインストラクター 。ホットヨガやスポーツクラブでヨガを体験し、もっと学びを深めたいとの思いから様々な流派のヨガメソッドを経験、さらには指導者資格を取得するに至る。ヨガへの学びを深める中で中医学と出会い、中医学関連の資格も取得。見えない心や感情、身体への理解を求めて東洋、西洋の視点で勉強中。RYT200、ケン・ハラクマのアシュタンガヨガプライマリーシリーズTT、シニアヨガ、中医養生ヨガ®初級中級、中医学女性の体とマタニティ、四季養生ヨガ、JOPHEE中医学骨盤モジュールTT修了。



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