上司の矛盾に対処しよう「ダブルバインド」状態とは|臨床心理士が解説

 上司の矛盾に対処しよう「ダブルバインド」状態とは|臨床心理士が解説
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南 舞
南 舞
2019-11-01

言動や行動に矛盾があって「上司の本心が分からない…」と悩む瞬間ってありますよね。そんな時の対処法を臨床心理士である筆者がお伝えします。

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こんな上司、いませんか?

上司の言動や行動が矛盾して困ってしまったことはありませんか?例えば、部下に対して「分からないことは何でも聞け」と言っておきながら、いざ質問すると「いちいち聞かずに自分で考えろ」と言ってみたり。答えたら答えたで相手をさらに怒らせてしまったりして「何を考えているのか分からない」なんて途方に暮れる。よくあるこの現象ですが、実は心理学的に解説できるのです。

コミュニケーションの二重拘束とは?

コミュニケーションの中でこういった葛藤が起きることを【ダブルバインド(二重拘束)】と言います。家族の心理専門家であるベイトソンが提唱した定義で、『2つ以上の矛盾したメッセージを相手に伝え、どちらかに従っても結局逆らうことになってしまう』というものです。ダブルバインドを受けた相手は板挟みになり、精神的なストレスを感じるコミュニケーションのことを指します。

ダブルバインドの影響とは?

このダブルバインド状態はいわゆるパワーハラスメントやモラルハラスメントでよく起こりがちな現象です。また、まじめで人に気を遣う人ほどストレスを感じやすくなります。この状態を長期で受け続けると、混乱し緊張状態に置かれるので、過度なストレスとなるでしょう。また、何を答えても否定されるので、自分のやることに委縮してしまい、何もできなくなってしまいます。重症化すると、精神疾患を引き起こすことだってあり得るのです。

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