「生徒に必要なものを理解する」レッスンのために大切なこと

 「生徒に必要なものを理解する」レッスンのために大切なこと
Getty Images
櫻井麻美
櫻井麻美
2020-04-15

グループレッスンの場合、様々な生徒さんがいらっしゃいます。一人一人のコンディションや、体の特徴が違うのは当たり前ですが、相手に合わせたレッスンを提供できていますか?同じアドバイスがだれにでも当てはまるとは限りません。どのようにレッスンを展開していけばいいのでしょうか?

広告

人の体は十人十色

ヨガのクラスごとに、参加者のある程度の属性が決まっているとはいえ、様々な生徒さんがいらっしゃいます。同じレッスンの中に、シニアで運動歴があまりない方と、スポーツマンの若い方がいることも…シニアの方に合わせたインストラクションをしてしまうと、スポーツマンの方は物足りなくなってしまうかもしれませんし、反対にスポーツマンに合わせたインストラクションはシニアには負荷が高すぎるでしょう。

同じレッスンを提供するとしても、その人その人の体の状態に合わせたインストラクションをしなければ、誰にでも満足できるレッスンにはなりません。そのためには何が必要なのでしょうか?

まずは相手の状態を知ることから

大前提なのは、ケガや病気などを確認しておくことです。レッスンに安全に挑んでいただくために、お互いに確認しておきましょう。

今までにレッスンを受けたことがある生徒さんなら、ある程度の状態はわかるはずです。新しくお会いする生徒さんには必ずコミュニケーションをとり、ヨガ歴やスポーツ歴などの情報を聞いておいた方がよいでしょう。

そういった事前情報のほかに、レッスンをしていく中で生徒さんをしっかり観察しましょう。進行や段取りだけを考えていると視野が狭くなります。必ずいつでも生徒さんがどんな動きをしているか、どんな様子なのかを把握しましょう。

正しいアライメントのために、インストラクションにもひと工夫!

生徒さんの様子を見て、負荷が高そうだったら軽減する必要があるし、余裕そうならば深めるインストラクションができるでしょう。ここで大切なのは言葉の使い方です。「つらい人は○○していきましょう」と伝えるのも悪くありませんが、プライドの高い方は、自分は大丈夫!とポーズを緩めることはないでしょう。「進める方は○○しましょう」など、プラスの方向に声掛けできた方が、ちょうどよい場所を選んでもらえるでしょう。

そしてもうひとつ、生徒さんに無理なく自分に見合ったポーズをとってもらえるように、生徒さん自身でもわかる的確なポイントを伝えましょう。「背筋がしっかり伸びている人は○○しましょう」「膝が伸ばせる人はさらに○○です」など、辛い・辛くないなどの抽象的な概念より、見てすぐわかる的確な判断基準を伝えるのも効果的です。インストラクターがポーズができるからと言って完成形だけを見せるのではなく、相手に合わせた段階のポーズを見せることも必要です。

オンラインクラスで気を付けたいこと

オンラインでクラスを行う際には、対面でのレッスンとは違うアプローチが必要になります。実際に目の前におらず、相手のことが見えづらいです。相手の状態を理解しにくく、様子に合わせて加減をするのが難しい場合も多いでしょう。安全にクラスを受けてもらうためには体で形を見せるだけでなく、明確に伝わる言葉のインストラクションをうまく利用する必要があります。

まずは最初から完成形を伝えるのではなく、軽めの負荷から始めて、段階ごとに少しずつポーズを深められるように伝える心がけをしてみましょう。ステップごとに具体的にポイントを設け言葉でわかりやすく伝えることで、自分が次のステップに行けるかどうかを判断できるようになり、自分に合ったポーズを選びやすくなります。オンラインクラスだからこそ、より言葉が重要になってきます。ポーズ名だけで済ますのではなく、誰にでもわかりやすい簡単な用語を使うこと、そして相手に聞き取りやすいスピードで伝えることで快適なレッスンにつながるでしょう。

ポーズを自分に合うように作る目的のひとつは、正しいアライメントでケガを防ぐため。正しいアライメントを、自分自身で選べるようにするためにも、誰にでもわかる、段階を踏んだ具体的なインストラクションをしてみてくださいね!わかりやすい言葉でのインストラクションは、あらゆる人数でのレッスンにも対応できるはずです。ポーズごとに必要なアライメントをしっかりと理解し、提供していきましょう!

ライター/櫻井麻美
大学在学中に世界一周をし、卒業後は日本各地に住み込みで働く。既存の価値観の中で生き方を考えることに違和感を感じ、自分はどうやって生きるのか?何をして生きるのか?について考えはじめる。20歳の頃にヨガに出会い、ヨガの哲学の部分に触れ、共感。第一子出産後インストラクター資格取得。ヨガを通じて様々な人により心地よい生活を送ってほしいという思いを持ち、ヨガスタジオ、スポーツクラブ、助産院、公民館、児童館、出張ヨガなど様々な場所でレッスンを開催中。講師養成講座も担当している。IHTAヨガインストラクター2級/IHTAヨガインストラクター1級/全米ヨガアライアンスRYT200取得/E-RYT/YACEP®️/IHTAマタニティヨガインストラクター/YOGAed.キッズヨガPI1修了/IHTAベビーマッサージ初級講座修了

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事