「命の現場を経て、自分を大切にするヨガを伝えたい」|平野夕貴さんの転身ストーリー
――ヨガ講師になってキッズやベビーのクラスも好評ですね。小児科の看護師をしてきた経験はヨガ指導に役立っていますか?
確かに、看護師をしているから気づけることがあると思います。これまでに、カフェや運動教室でキッズやベビーのヨガクラスを開催してきましたが、小さい子どもは突発的な動きをするし目が離せません。ケガのないよう一人ひとりに目配りできるのは、看護師として子どもたちと接しているおかげかなと。小児科の看護師という経歴がプラスアルファの安心材料になり、お母さんたちの信頼も得られていると思います。子どもと同じ目線に立ち、人見知りの子と心を通わせることも得意なんですよ。
最近は、指導者養成コースの同期や先輩とのつながりで活動の幅を広げ、「心と体に優しいヨガ」をテーマにヨガスタジオやフィットネスジムで指導しています。意識しているのは、命の現場を経験したからこそできる言葉がけや、生徒さんへの共感力です。命の儚さを目の当たりにした私だから、実感として伝えられることがあり、たとえば、「今ある命と、ヨガができる体に感謝して」と、クラスの最後に届ける言葉もそう。生徒さんからは、「先生の言葉で大切なものに気づかされた」と言ってもらったり、瞑想中に涙を流す人がいたり、心に語りかけるヨガができていると思います。経験をもとに発する言葉って、説得力がありますよね。だから私は、現役の看護師であることや、うつ病で苦しんだことなど自分の背景をオープンに話しています。ヨガでは病気や仕事での苦労がプラスに働き、寄り添える指導につながると思うんです。また、主観を押し付けず、生徒さんの思いを尊重できるのは、NICUで患者家族の心情に配慮する向き合い方をしてきたから。私にしかできないことが、生徒さんの心に響いているなら嬉しいですね。
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