【意外】牛乳とチョコレートは相性がよくない?一緒に調理すべきではない食材とは|管理栄養士が解説

 【意外】牛乳とチョコレートは相性がよくない?一緒に調理すべきではない食材とは|管理栄養士が解説
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数ある食材の中には、組み合わせることで栄養価が下がったり、健康を損ねてしまったりするものがあります。あなたがよく一緒に調理しているその食材、実は相性がよくないもの同士かもしれません!この記事では相性がよくない食材の組み合わせを紹介し、その理由や対処法を解説します。

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牛乳とチョコレートを合わせると健康効果が減るって本当?

ほろ苦く濃厚なチョコレートと、甘みとコクのある牛乳はおいしい組み合わせですね。スイーツの材料に使うことが多く、チョコレートと牛乳をそのまま子供のおやつにすることもあるでしょう。味わいの相性は抜群によいチョコレートと牛乳ですが、実は一緒に食べることで健康効果が減少してしまう可能性のある組み合わせなのです。

カカオポリフェノールとカゼインの効果

チョコレートには、原料のカカオ豆に由来するカカオポリフェノールが含まれています。ポリフェノールはさまざまな植物に含まれる、抗酸化作用を持つことが知られている成分です。ポリフェノールの例をあげると、赤ワインに含まれるタンニンやアントシアニン、緑茶や紅茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボンなどがあります。チョコレートのカカオポリフェノールにも活性酸素の働きをおさえる抗酸化作用があり、血圧の低下、善玉コレステロールの増加、認知機能の向上などの効果が期待できるとされています。

チョコレート
牛乳とチョコレートを合わせると健康効果が減るって本当?

牛乳で注目すべき栄養素のひとつが、豊富に含まれる良質なたんぱく質です。なかでもカゼインは、牛乳に最も多く含まれているたんぱく質成分です。たんぱく質は肌や髪の毛、筋肉、内臓といった私たちの体を作るもとになります。体の機能を調整するホルモンや酵素の材料になり、糖質や脂質と同じようにエネルギー源としても使われます。特にカゼインはこれらの働き以外にも、小腸でのカルシウムの吸収を促進する、神経の興奮をおさえる、免疫力を高めるといった体に役立つ機能を備えたたんぱく質なのです。

このように、チョコレートのカカオポリフェノールと牛乳のカゼインは、それぞれ健康効果が期待できる成分であるといえます。しかしこの両者を一緒に摂取すると、その効果を活かせなくなってしまうのです。

吸収を阻害してしまう組み合わせ

チョコレートと牛乳を一緒に調理したり食べたりすると、牛乳に含まれるカゼインとチョコレートのカカオポリフェノールが結びつきます。カゼインとカカオポリフェノールは結合すると、体内で吸収されにくくなってしまいます。つまりカゼインとカカオポリフェノールは同時に摂取すると、腸などでの吸収を互いに妨げ合ってしまうのです。

このようにチョコレートと牛乳は、一緒に食べると両者のメリットを十分に得られなくなってしまいます。とはいえ、チョコレートと牛乳は味わいの相性がよく、スイーツ作りではよく登場する組み合わせです。嗜好品として楽しむ程度であれば、気にする必要はないでしょう。しかし健康効果を期待する場合、チョコレートと牛乳は同時に食べず、時間を空けて摂取するようにしましょう。

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いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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