連載|ヨガと私の生きる道 Vol.2「大学からヨガを始めるということ」岩田理佐先生インタビュー

 連載|ヨガと私の生きる道 Vol.2「大学からヨガを始めるということ」岩田理佐先生インタビュー
RISA IWATA
伊藤香奈
伊藤香奈
2018-10-20

ヨガワークライフコンサルタント、ヨガインストラクター向けキャリアアドバイスセミナー講師として活躍する伊藤香奈氏が、注目の若手ヨガインストラクターにインタビュー。なぜヨガだったのか、どうやってヨガを伝えていきたいのか…ヨガと向き合う等身大の姿勢を取材しました。現役のインストラクターで自分らしい指導を模索している人やこれからインストラクターを目指す人必読です!

広告

10代~20代の若い世代にとってのヨガは、ブームではなく当たり前にそこにあったもの。大学にはヨガ部やヨガサークルが存在し、10代からヨガに触れる機会もたくさんあります。さらにヨガをする親を持った子供は、生まれた時からヨガに触れて育ってきたということも珍しくないでしょう。そんな時代において、若くしてヨガインストラクターを生業とすることを覚悟したひとりのヨガインストラクターがいます。名古屋を中心に活動しながらヨガフェスタの講師など活躍の場を広げている岩田理佐先生に、ヨガへの想いをお伺いしました。

―大学時代からヨガを始めたとのことですが、ヨガを始めたきっかけを教えてください。

岩田先生「私は大学1年生の時にヨガに出会いました。インドのヨガというより、アメリカのヨガですね。『海外セレブは皆ヨガで痩せている!』という記事がネットで出回っていた頃です。ダイエット目的でヨガを始めました。また、私は体育系の学部だったので周りにはスポーツで実績を残してきた友人がたくさんいました。そんな能力の高い同級生に比べて、自分には何も取柄がないな~と思っていたこともあって『どうせならヨガインストラクターの資格とっちゃおうか?』という軽いノリで、すぐに養成講座に通い始めてしまったんです」

―いきなり養成講座から始めて、大変ではありませんでしたか?

岩田先生「ヨガへの知識も浅いままいきなり養成講座を受けることになったので、まずは『ヨガって何?』から始まりました。でも、全然わからなかったんです。だってその当時、私は18歳。リラックスや癒しなんて、まったく必要ありませんでしたから(笑)。だから正直、気持ちいいとかリラックスできたとかいう体感もないし、ヨガってこんなもんなの?という拍子抜けした感じでした。もちろんそんな状態ですから、資格を取得したもののすぐにインストラクターにはならず、大学卒業後就職をしました。社会人になってから、ヨガが必要な理由やヨガの効果が、まるで答え合わせをしていくようにわかっていきました。『なるほど、そういうことだったのか!』と合致した経験が、やっとできたんです」

―一度は就職したけど、ヨガインストラクターに転職しようと思ったのはなぜですか?

岩田先生「社会人になってヨガの必要性を実感したことで、養成講座に通った経験も生かしたい、一度はヨガインストラクターをやりたいという気持ちがむくむく芽生えました。ただ、安定した会社に勤めていたので、その安定を手放すことや転職自体に不安があり、ヨガインストラクターへの道を一歩踏み出すまでに約3年間迷いました。迷いぬいた最後に『自分の人生は自分で選んでいかなきゃいけない。今死んだら、絶対後悔する』と思ったんです。そこで、ヨガフェスタのトライアルクラスのオーディションを受けることにしました。もしその時、オーディションに落ちていたら、私はいまだに会社員をやっていたと思います(笑)。あのオーディションは、人生の賭けだったと思います」

―それで、見事ヨガフェスタのトライアルクラスオーディションに合格したんですね。

岩田先生「はい。合格の連絡をもらった翌日に上司に連絡をして、仕事を辞めたい旨を伝えました。半年引き留められましたね。でも、社内の人たちを見て思ったんです。『何かやりたいことがあったけど、結局安定を手放せずにチャレンジしなかった人達がたくさんいるんだな』って。自分はそれでもいいのかな。と思った時に答えは『No』だったのでチャレンジしてみる人生を選択しました」

―実際インストラクターになって、想像していたのと違ったというギャップはありましたか

岩田先生「お給料も減るだろうし、フリーランスになることへの不安も、ある程度は覚悟をしていました。でも1番のショックは、同僚がいなかったことなんです。フリーランスだとスタジオに行かず行う事務職も多くて。そうすると、1日誰とも話さない日もあります。もともと営業職だったので、人と話さないということがとてつもなく寂しくて、最初の1年間は全然受け入れられませんでした。私は、スタジオに所属しなかったので、よけいにレッスン以外で人と接する機会が少なかったのだと思います。私の中でかなりの衝撃でした」

―レッスンをしてみて、どうでしたか?例えば若手インストラクターだと、生徒さんの方が年齢が上なことが多いと思いますが、プレッシャーを感じたりすることはありますか?

岩田先生「プレッシャーは感じたことはありません。生徒さんが全員年上なのはいつものことなので、レッスンをしていながらも勉強させてもらうような気持ちでした。気を付けていたことは、上からの物言いにならないようにしたことです。『私が伝える』ということにとらわれず『ヨガってこうなんです』『ヨガの哲学だとこういうことですね』という形で、もちろん自分の体感も交えながらですが『ヨガの目線で伝えること』を意識していました」

―経験が足りていないとか、教えることに対して自信をなくすことはありませんでしたか?

岩田先生「以前はすごくありましたね。フリーになったばかりの頃は、不安で仕方なかったです。生徒さんの要望と自分のやりたいことが一致しないと、生徒さんって来なくなりますよね。それが大きな悩みの1つでした。時間がたつにつれて、全員に合うわけじゃないなと思えるようになって、心が少し軽くなりました。あとは、1人1人のインストラクターの経験がレッスンに詰まっているので、私には私の経験でしかできないレッスンがあるなと思えるように。今の自分にできることを精一杯伝えようと割り切れるようになるまで、フリーになって1年くらい時間がかかりました」

―友達や同級生といったまわりからの反応はどうでしたか?

岩田先生「『すごいと思うけど私には無理』とよく言われます(笑)。私のまわりって安定志向が強い人も多いし、大学時代の友達も教員が多かったりするし。うらやましいという感想と大変そうという感想と、色々あります。最近は年齢が上がってきて主婦の友達も増えてきたので、自分のペースで仕事を組めるのはうらやましいという声が増えてきました」

―ヨガインストラクターという仕事に憧れを持っている若い人たちに岩田先生が伝えたいことは?

岩田先生「人生一度きりなので、やりたければやってみればいいと思う!人生って、選択の連続だと思います。たとえ今会社員で、安定とかしがらみを手放せない人も、『手放せない』『できない』のではなく『手放さないという選択をしている』んだと思うんです。後悔しないために、自分のスピリットに従って選択していくのもいいと思います。そして、ヨガをやっているからこそ、『今の瞬間』に目を向け、楽しんで生きていってほしいです」

終わりに

自分の人生に責任をもつこと、選択することの重要性を若くして実感し、実践してきた岩田先生。インタビューの質問中も、自分の想いを書き留めた(それも手書きで!)紙を何枚もめくりながら、丁寧に、熱く、ご自身の想いを語ってくれました。ヨガを伝えるというヨガインストラクターの仕事は、年齢やきっかけ、経験は関係なく、ただそこに「“ヨガを伝えたい”という強い想いがある」ただそれだけで人の心を感動させるチカラがあるんだ、と感じずにはいられませんでした。

講師プロフィール:岩田理佐先生

岩田りさ
岩田理佐先生

名古屋を拠点に活動。10代の頃よりヨガを始め、大学在学中にヨガインストラクターの資格を取得。大学卒業後はメガバンクに就職し、総合職として多忙な生活を送る中、一度はヨガから離れるが、心身のバランスを崩しかけたことでヨガの良さを体感。2015年アジア最大級のヨガイベント【ヨガフェスタ横浜】での講師経験をきっかけに、もっとヨガを必要としている人へ伝えたいという思いが芽生え退職を決意。以降ヨガフェスタへは毎年出演し、レッスンは常に満席。現在はスタジオに限らず学校や企業等でのレッスンや、雑誌・ラジオなどメディアにも取り上げられるなど活動範囲を拡大。癒やしの声やほっとするインストラクションによって創り上げられる柔らかなクラスが特徴。【sn】super natural アンバサダー。アジア最大級のヨガイベント「ヨガフェスタ横浜」2015〜2018出演。ヨガオピニオン誌 Yogini vol55 「新しいヨガと出会う!」注目インストラクター掲載

◆修了・保有資格等

中学校・高等学校教諭一種免許(保健体育)、全米ヨガアライアンス(RYT200)、全米ヨガアライアンス認定マタニティヨガ、Yoga Ed キッズヨガヨガニードラセラピスト、ブリージングアロマヨガ、瞑想セラピスト

Facebook:https://www.facebook.com/risa.iwata.1614
インスタ:@yogini_risa

 

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

岩田りさ