「頼まれると断れない」かくれ繊細さんが"穏便に断る"ための3つのスキル
どうしたら、雰囲気を壊さずに穏便に断われるのか?
わたしもさまざまなことを断れませんでした。
営業電話をどこで切ったらよいかわからなくてずっと応答してしまったり、営業トークで押されるとつい購入契約をしてしまっていました。服を買いに行くと、試着したものはよほど気に入らないもの以外は購入してしまっていたので、実際には着ない服がタンスの中にはいくつもありました。また、子供の学校のPTAの役割決めの時は、誰も手が上がらない役割を引き受けてしまうのです。ピリピリする雰囲気が耐えられず、へらへらして「あ、わたし、やりますよ…」と力弱く手を挙げてしまう。そんな自分でしたから、「○○さんどうですか?」と一人ずつ指名されるような場面で堂々と断れる人を見ては驚いていました。私には到底断ることができないような理由を言って断っている様子は、毎年驚きでしかなかったです。
ところが今では営業電話は、相手に期待させずに気持ちよく断ることができるようになりましたし、試着でも少し気になる商品は購入を思いとどまりつつ、店員さんにはさわやかな印象でニコニコ断って嫌な感じにならないよう店を去ることができるようになりました。
何を言うようにしたのか?
それは、「興味がない」という言葉、でした。
「そのイベントには興味がない」「この仕事には興味がない」「この色には興味がない」「この商品には興味がない」
これらの言葉を言ったら「ああ、そうなんだ。じゃあしょうがないね」という反応を示してくれますし、一発で「断られた」と伝わり、相手に期待させることがないのでぶり返したように誘われることがありません。
ですが、この言葉はかくれ繊細さん側にとって、言うには大変躊躇する言葉だろうと思います。それはなぜでしょうか。「興味がない」なんて言われたら自分がツライからです。
「断れない」は、「人を誘うのが怖い」にもつながっている
興味がないと言わない、言わせたくないという気持ちは、かくれ繊細さんが「人を誘えない」ことにつながってもいます。
例えばあなたが興味を持っているなにかに「ねえねえ、これ、面白いから一緒に行こうよ」と誘ったとき、相手が「それ、興味ないんだ」と言ったら、あなたはぐうの音も出なくなりますよね。それくらい威力のある言葉です。
自分にとって威力のある強い言葉を、人に言われると傷つくから、あなたは結果、人を誘わなくなったという可能性はとても高いと思います。
誘われれば行くけれども、自分からは人を誘わない、という傾向もかくれ繊細さんには強くありますが、これは「断れない」と強く密接に関連づけられている分野のことであると言えます。
自分が言われたくないことを人に言うなんてできない。
でも、それを言わないと、相手はあなたに明確に断られたと理解しません。
あなたが「それは興味がないので要りません」と言うしかないわけです。
だとしたらどうしたら良いかというと、ここでかくれ繊細さんがこれまで培ってきたコミュニケーション能力の発揮どころです。角を立てずにきっちり断る方法のポイントは3つです。
AUTHOR
時田ひさ子
HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。
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