クッキーのアトリエが発信する、多様性と未来へのメッセージ
![クッキーのアトリエが発信する、多様性と未来へのメッセージ]( https://images.yogajournal.jp/article/216396/MU28gRmrodhv2zFZJtX2O6OegFPFt8xbTkzyVypc.jpeg )
![仲真穂](/images/no_profile.png)
2024年5月、ヨックモックの55周年を記念したポップアップストア「クッキーのアトリエ」が表参道に期間限定でオープン。アートエージェンシー、ヘラルボニーが空間デザインを手がけた。
障害は、人にあるのではなく、社会にあるのではないかという問い
私の周りには、眼鏡やコンタクトを使って視力を調整している人が少なくない。私自身も視力矯正の手術を受けている。
「眼鏡などの技術がない時代、視力が弱い人も“障がい者”だったんですよね」とある人が言った。考えてみればそうかもしれない。なるほど、その通りだけれど気付かなかったと驚いた。障がい者の定義は固定的ではなく、技術の発展、社会システム、認知によって変わるんだ。ということは、障害があるのは人のほうではなく、社会のほうにあるのではないか。
そんな想いを原点にして立ち上がった会社がある。「ヘラルボニー」だ。「ヘラルボニー」は「異彩を、放て。」をミッションに掲げる、アートエージェンシー。型にはまらない自由なアートを描いているのは「異彩作家」。主に知的障害や自閉症を持つ人たちだ。福祉の文脈で語られることが多い障がい者の就労機会を、ヘラルボニーは「対等なビジネスパートナー」として捉えている。異彩作家たちが描く2,000点以上のアートデータのライセンスを管理し、多角的な事業を展開している。例えば、洋服や傘、ネクタイやバッグなどのアパレルから、マグカップやクッションなどのオリジナルグッズの開発から、JRの駅舎や街の一区画などの空間プロデュースなど、実にさまざまだ。
![ヘラルボニーとライセンス契約を結ぶアーティスト、小林覚(さとる)氏が今回のために描いたアートの原画が飾られている](https://images.yogajournal.jp/article/216392/n8FSvujAvQalZGUHB62LXoAXwm4zmIBmHxbE59Y5.jpeg)
ヨックモックxヘラルボニーが初のコラボ「クッキーのアトリエ」
そんなヘラルボニーが、2024年5月、ヨックモックの55周年を記念したポップアップストア「クッキーのアトリエ」の店舗演出という形でコラボレーションしている。
ヨックモックといえば、ラングドシャの記事をクルッと巻いた『シガール』というお菓子が有名。百貨店などで購入でき、手土産の定番ともいえる焼き菓子をそろえる同社だが、今回のポップアップショップでは、店内での飲食が基本スタイルだ。
今回のポップアップショップで提供されるのは、手のひら大のボリュームのあるクッキー5種。「クッキーの常識を超えて、その先へ」と謳うとおり、2層の異なる生地からなるクッキーの上には、フレッシュなフルーツや野菜がトッピングされている。
![「クッキーの常識を超えて、その先へ」と謳うとおり、2層の異なる生地からなるクッキーの上には、フレッシュなフルーツや野菜がトッピングされている。](https://images.yogajournal.jp/article/216393/5tM5tLPUTsfKCCEIxMRX91SOUIYemccI66zqAE7R.jpeg)
ポップアップショップの壁には、ヘラルボニーとライセンス契約を結ぶアーティスト、小林覚(さとる)氏の描いたアートが。小林氏は、文字をつなげ、独特の形にアレンジして描くスタイルの作風が魅力のアーティスト。ヨックモック55周年のテーマは「共につなぐ、未来へ」。小林氏の”言葉をつなぐ”スタイルのアートと、今回のヨックモックのテーマがみごとにリンクし、今回のコラボレーションにつながった。
![作品名「Paint Your Colors」 「お菓子は人を笑顔にする不思議な力がある」と私たちは信じています/お菓子の創造性をたくさんの人へ届けたい/クッキーの常識を超えて、その先へ」と描かれている](https://images.yogajournal.jp/article/216394/NqQgeRWm1ouiJNhgtqbN2zSi1jPR2wAlxx08Y58c.jpeg)
今回の特別なクッキーを全部試食したうえで、描き上げたという2枚のオリジナル作品。「Paint Your Colors」と名付けられた作品は会場の壁紙となっており、会期中は塗り絵を楽しめる。「みんなで色を重ねて、1つの作品に仕上げたい」との想いがこもっている。
ヘラルボニーとヨックモックがまさに「共につなぐ、未来へ」のテーマをそのまま具現化したようなお店だった。ポップアップショップは2024年6月6日まで。「共に未来をつないでいきたい」大切な人と一緒に、訪れてみてほしい。
![表参道と原宿の真ん中にある「クッキーのアトリエ」](https://images.yogajournal.jp/article/216395/pdxxHKZpmwQA3viTzoTN5t5BMlTG1mPd9cxE08Ih.jpeg)
会場|BAKERY CAFE 426 OMOTESANDO
住所|東京都渋谷区神宮前4丁目26-18 原宿ピアザビル
日程| 2024年5月17日(金)〜6月6日(木)11:00〜18:30(L.O17:30)、(金)・(土) のみ11:00〜20:00(L.O19:00)
公式サイト| https://www.yokumoku.jp/55th/atelier
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