脳を使いこなすとパフォーマンスが上がる?【格闘技ドクターが教える】運動が上達する脳の使い方

 脳を使いこなすとパフォーマンスが上がる?【格闘技ドクターが教える】運動が上達する脳の使い方
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良き指導者やYoutube…「運動イメージ」のレベルを上げていく

よりハイレベルのパフォーマンスを実現するには、前頭前野で想起される運動イメージのレベルも上げていく必要がある、ということです。武道や茶道といった「道」の世界には「良師は3年かけて探せ」という格言がありますが、これは「良い師に巡り合えば3年くらいの遅れは簡単に取り戻せる」という意味です。師の指導力や哲学、大切にして価値や考え方、といった部分はその後の数年どころか一生にも影響しますので、そういう意味でも「良師を選ぶ」は重要なのですが、これにプラスして「運動イメージをつくる」技術面においても非常に大切なのです。

バスケットボールのシュートでも、ヨガのポーズでも、格闘技のキックでも、A)身体にも負担が少ない洗練されたフォームと、B)身体が悲鳴を上げるような無理なフォーム、同じ技でもAとBの両方があったとして、「Bがその技だ」と認識して練習をするとどうなるでしょう?もちろん身体特性上、たまたまBがフィットする場合もあるかも知れませんが、「Bの運動イメージしか想起できないため、一生練習してもAの運動イメージに至ることができない」ということが起きるのです。これはあまりにもったいないですよね。良師の動きやフォームをしっかり見ること、そして五感で感じることが、BではなくAを修得する道だということです。

ですから運動について理解している指導者のもとで正しい動きを学んだり、Youtubeなどで一流選手のフォームをお手本にしたり、「この人に学びたい!」という人がいたら直接会いに行って吸収させてもらったりしながら、「前頭前野で想起される運動イメージからの変革」で動きが変わる経験を楽しんでいただきたいと思います。

教えてくれたのは…二重作拓也さん
挌闘技ドクター/スポーツドクター 富家病院リハビリテーション科医師  格闘技医学会代表 スポーツ安全指導推進機構代表 1973年生まれ、福岡県北九州市出身。福岡県立東筑高校、高知医科大学医学部卒業。8歳より松濤館空手を始め、高校で実戦空手養秀会2段位を取得、USAオープントーナメント高校生代表となる。研修医時代に極真空手城南大会優勝、福島県大会優勝、全日本ウェイト制大会出場。リングドクター、チームドクターの経験とスポーツ医学の臨床経験から「格闘技医学」を提唱。専門誌『Fight&Life』では10年にわたり連載を担当、「強さの根拠」を共有する「ファイトロジーツアー」は世界各国で開催されている。『Dr.Fの挌闘技医学』『Dr.F 格闘技の運動学』(DVDシリーズ)『Fightology(英語版/スペイン語版)』『プリンスの言葉』『Words Of Prince(英語版)』など著作多数。

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Text by Ai Kitabayashi



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