酸化から体を守る!トマトと油揚げの味噌汁【管理栄養士が教える健康味噌汁】

 酸化から体を守る!トマトと油揚げの味噌汁【管理栄養士が教える健康味噌汁】

素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回はアンチエイジング効果が期待できる味噌汁の具材を紹介するので、老化による体の衰えが気になる人は参考にしてください。

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アンチエイジングにおすすめの具材は【トマトと油揚げ】

トマトと油揚げの健康効果

トマトと油揚げの味噌汁でアンチエイジング
撮影:いしもとめぐみ

老化に対して「加齢にともない体の機能が衰えること」というイメージを持っている人は多いでしょう。老化の原因はいくつかありますが、そのひとつと考えられているのが活性酸素によってもたらされる体のサビつき、つまり「酸化」です。わたしたちは車の排気ガスやたばこの煙といった大気汚染、紫外線、激しい運動や精神的ストレスなど、日常的にさまざまな刺激を受けています。このような刺激により活性酸素は増加して、体は酸化し、老化が進行するのです。

老化が進むと、肌にシミやしわが現れ、生活習慣病といった疾患のリスクが高まります。体を酸化から守り、老化の進行を遅らせるアンチエイジングは、食事からのアプローチも可能です。酸化から体を守る「抗酸化作用」を持つ栄養素を積極的に摂取すれば、アンチエイジング効果が期待できるでしょう。

トマトには、抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれています。トマトの鮮やかな赤色のもとになる色素成分のリコピンは、強い抗酸化作用がある栄養素です。トマトなどの緑黄色野菜に豊富なβカロテンも、抗酸化作用を発揮して体の酸化を防いでくれます。リコピンやβカロテンは、体の中で活性酸素の発生をおさえ、肌を健やかに保ち、生活習慣病の予防に役立っているのです。 

トマトを味噌汁に入れるのであれば、油揚げも具材に加えてください。リコピンは、油と一緒に摂取すると吸収率が高まることがわかっています。また脂溶性ビタミンに分類されるβカロテンも、油と相性がよい栄養素です。油揚げを一緒に食べると、トマトに含まれる抗酸化物質は体に取り込まれやすくなるのです。

味噌でアンチエイジング

味噌は発酵、熟成の過程で色が少しずつ濃くなっていきます。この茶褐色の成分、メラノイジンは抗酸化作用があると注目されている物質です。

メラノイジンは、体の中の活性酸素の働きをおさえて細胞の老化を遅らせます。さらに血液中の脂質の酸化を防いで動脈硬化を予防し、生活習慣病のリスクを低下させる効果も期待できるのです。抗酸化作用を持つ具材と一緒に味噌汁を飲んで、若々しい体を保ちましょう。

トマトと薄揚げの味噌汁の作り方

【材料】2人分

トマト:1/2個
油揚げ:1枚
だし汁:350ml
味噌:大さじ1と1/2 

【作り方】

1.トマトを4等分のくし切りにして、さらに斜め半分に切る。
2.薄揚げは熱湯をかけて油抜きをして、キッチンペーパーで水分を軽く拭き取る。横半分に切ってから、1cm幅に切る。
3.鍋に入れただし汁を、火にかけて沸かす。
4.だし汁に1と2を加えて、ひと煮立ちさせる。
5.鍋の火を止めて、味噌を溶き入れる。

加熱されたトマトは甘みが引き立ち、ほのかな酸味で食欲が刺激されます。さらに油揚げのコクでおいしさが増した味噌汁を、ぜひ食べてみてください。

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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