ヨギのユートピア、マイソールへの旅|ヨガ講師が聖地で出会った「ヨガとは何か」の答え

 ヨギのユートピア、マイソールへの旅|ヨガ講師が聖地で出会った「ヨガとは何か」の答え
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RIKA KELLY
RIKA KELLY
2018-06-03

日本のヨギの皆さん、こんにちは。ロサンゼルスを拠点にヨガ講師をしているRICAです。コラボ第二弾の今回は、ヨガの聖地・インドへの旅について。ヨガ講師としての人生に大きな影響を与えたマイソールでのことをお話しします。

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今から約3年前。私はヨガをこよなく愛する、ごく普通のヨガ講師でした。ヤマ・ニヤマなどの行法を通して物事を澄んだ目で見る手段を学び、呼吸法を通して心身のリラックス、アーサナを通して身体の解放…そんな心身共に軽くなる感覚のとりこになっていました。「もっとヨガの知識を深めたい」そんな理由から、ヨガ修行をするべくインドへ行くことを決意します。

What to expect…?

そんな事を言ってはみたものの、飛行機に乗った時点で得られている情報といったら学校名と出されているカリキュラムのみ。自分が滞在するであろう場所の住所もなければ、マイスールという街自体さえよく分からない状態での出発でした。わかっていることと言えば、”Mysure= Origin of Ashtanga Yoga” THAT’S IT!!(マイソール=アシュタンガヨガの起源の地。たったそれだけ!)

インド マイソール
インド マイソールの風景(Photo by RICA KELLY)

28時間かけて移動したその地で、早速色々な洗礼を受けます。人生のほぼ1/3、毎週旅をしているため、ちょっとのことでは驚かない私ですが、インドはいとも簡単にその確信を粉々にしてくれました。通される「個室」はトタンの屋根、西日の強く差す暑い部屋。もちろんエアコンというものがあるわけもなく、カーテンなんて薄い布がぶら下がっているのみ。お湯が出なかったり、ガスレンジはマッチでつけるなんてご愛敬です。もう、こうなったら楽しむしかない!そう1日目にしてインドマインドがセットされました。

本物のヨガ

マイソールでの生活は、アラームを毎日4時30分にセットし 、朝5時から1日をスタートさせるというものでした。寝静まった街に、私たちが唱えるマントラが毎朝響きます。研ぎ澄まされた朝一番の冷たい空気は肌をきゅっと引き締め、朝食前の空っぽの体はアーサナを待ち望んでいました。鼻から入る空気は何とも言えない新鮮さ。もう夢見心地の境地です。

このアシュタンガアーサナクラス90分を一日2回、ヨガ哲学のクラスを2~3時間、マントラのクラスを2時間、毎日気が付けば一日があっという間に過ぎ去っていうのでした。

ヨガ=ライフスタイル

この経験を通して何を一番学んだか、何が自分の人生に変化を与えたか。それは、「ヨガ=ライフスタイル、NOTファッショントレンド/運動」。つまり、ヨガはライフスタイルそのものであり、ファッションや単なる運動ではない、ということの実感でした。「ヨガ=ライフスタイル」ヨガをしたことがある人もない人も、きっと一度はこの様な表現を聞いた事があるかと思います。でもこれやっぱり本当なんです。有名なヨガマットを使って、有名処の洋服を着、引き締まった体でアクロバティックなヨガポーズをする事が本来の目的ではないのです。ヨガのマスターでさえそういったものは持っていないし、そういう物質的なものに興味もない。薄っぺらい汚れたマットに、洗いざらしのTシャツでさらっとアーサナをこなすマスターに最初は度肝を抜かれましたが、結局のところは「形ではない」というを学ばせて頂きました。アーサナの練習を繰り返せばアーサナの習得は難しい事ではありません。問題は、それに追随するマインドセットであったり、日ごろの行いなのです。何度かヴィンヤサフローヨガについて話題が及んだとき、マスターは何度か今後のヨガについて懸念を示されていたのを覚えています。

そのときの経験は、私のヨガ指導者としてのスタイルに大きな影響を与えました。今、クライアントと接するときに私が一番意識しているのは、メンタルやスピリッチュアルなケア。フィジカルなケアはもちろん大切です。ですが、人と比べる生活をしていたり、その事によって自分を見失ったり、といったことになっては本末転倒。特に見た目重視の傾向が大変強いハリウッドにおいては、メンタルのケアが不可欠なのです。物事の本質を見受けられる目とそれを受け入れる感覚を持てているか、自分自身と上手く良い関係性を持てているか、それを重視した指導を行っています。

ヨガが住み着いた街

また、自分のまわり(Me and its surroundings)との関係性についても、良い影響が受けとれます。マイソールでは、ヨガが街に住み着いているんです。日本を離れてより気づくことですが、日本では四季ごとに旬なものをありがたく頂いたり、自然を愛でる習性、ご先祖様を慈しむ文化がありますよね。じつはこれ、インドも全く一緒なんです。アーユルヴェーダを勉強している・していないに関わらず、多くの人が食べ合わせを何となく知っていたり、マントラがことわざの様に日々使われていたり、ヒンドゥー教で崇められている牛と穏やかに共存していたりと、生活がシンプルでありながらも敬う心やケアの大切さを改めて感じさせられました。今、私が生活しているのはロサンゼルス、アメリカ。日本でもインドでもないですが、その両方の土地で吸収させてもらったエッセンスを種に、アメリカの新しい土にて本質のヨガを自ら学び、その知識を更に深めつつ、それを良い具合にコミュニティーに還元するべく、努力中です。

マイソール
インド マイソールの風景(Photo by RICA KELLY)

さて、次はどの地での経談をシェアさせて頂けるでしょう? マイソールについての詳細、その他国などでリクエストがあったらぜひコメントを下さいね。

Om Shanti. Rica

 

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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