連載|Dr.yogiの医療の現場からVol.3「平均年齢80歳超のヨガ教室」

 連載|Dr.yogiの医療の現場からVol.3「平均年齢80歳超のヨガ教室」
Dr.yogiの医療の現場から

ヨガを始めることで、自らの不調を乗り越え、その経験を活かす川村先生。医療の現場での「生きているヨガ」とは…。

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「かわむら式アンチエイジングAKヨガ」から「かわむらヨガメソッド」へ

5年前からスタートした「AKヨガ」教室は、当初は平均年齢が80歳を超えていました。しかし、次第にお勤め帰りの若い方や主婦の方も参加されるようになり、生徒数が増えていきました。
生徒さんはほとんどが女性ですが、体の硬い男性もいらっしゃいます。皆さん、私の患者様です。その点が 一般のヨガ教室と違うところです。単に高齢者に向けての教室ではありません。体や心に病気を抱えていらっしゃる方はもちろん、大した症状ではないものの、今より元気になりたい、体が柔らかくなりたいという方もいらっしゃいます。年輩の方は、いつまでも自分で生活を続けられるようにとの一心で、ヨガに取り組まれています。このように、皆さんの目標はさまざまですが、ヨガを生活に取り入れることで「今まで疲れやすく休み休み家事をしていたのが、気がついたらいっぺんにできるようになった」とか「屈む姿勢が苦しかったのに楽に取り組めるようになった」とか「最近姿勢が良くなり、若返ったね」と言われたとか、それぞれ何らかの改善が見られるようになり、ますます張り切っておられます。一緒にヨガをする私も、もとは心身共に病んでいたので、皆さんのことが他人事とは到底思えないのです。
もちろん「平均年齢80歳超のヨガ教室」なんてどこにもないと思います。私自身も、生徒さんにけがをさせたらいけないし、不安がなかったと言えば嘘になります。しかし診察室でお会いする方々をヨガ教室にお誘いしていくうちに生徒さんがどんどん増え、80歳くらいの方は運動をする機会も少なくなっているので、反対に感謝されたりしました。

小学生からお年寄りまで、あらゆる世代に適応するメソッド

教室の時間は、私の昼休みの時間や診察後の夜、休みの日を利用しています。ですから限りがあるのが現状です。なので教室に通えない方にも簡単なポーズをとることで、さまざまな不調が改善されていくことを世の中に伝えたいという想いから、2018年の2月に『5秒 ひざ裏のばしですべて解決』を出版しました。すると今度は体の硬い中学生や姿勢の悪い小学生まで私のヨガ教室に通うようになりました。教室に通えない遠方の患者様にも、お一人おひとりの体を調べ、その方に合ったヨガストレッチを伝える「かわむらヨガメソッド」に基づく「かわむらヨガプログラム」も提供しています。
最近では、椅子を使用するクラスも加えました。このクラスを利用される方は、体が御不自由な方が多いです。たとえ床に座って身体を動かすことが難しい方でもイスに座ったり、椅子の背もたれを利用したりして一緒にストレッチしています。ストレッチといってもまったく安全ではないので、教室では、「安全第一」をモットーに一人ひとりの動きをできる限り、観ながら行っています。
こうして、「アンチエイジングAKヨガ」は、あらゆる世代の人たちに適応する 「かわむらヨガメソッド」になりました。

川村明先生プロフィール

1955年、高知県生まれ63歳。徳島大学医学部卒業、医学博士。1991年に独立、山口県宇部市にて「かわむらクリニック」を開業。57歳からヨガを始め、J-YOGA公認インストラクターの資格を取得。著書に『5秒 ひざ裏のばしですべて解決― 壁ドン!壁ピタ!ストレッチ』(主婦の友社)がある。ブログもチェック!

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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