「誰もが羨む結婚相手」の落とし穴とは|川村真木子×胎盤JD対談#モヤるのがおかしい?

 「誰もが羨む結婚相手」の落とし穴とは|川村真木子×胎盤JD対談#モヤるのがおかしい?
NATSUKI MINAMI

「女性らしく」という言葉が持つネガティブなインパクト。どこからともなく聞こえてくる「〜しなければならない」「〜でなければおかしい」という声。その瞬間は何か引っかかるのに、忙しさで受け流しているうちに麻痺してしまい、気づけば生きづらさを感じていませんか?社会派インスタグラムが人気のコラムニスト/バリキャリ金融女子の川村真木子さんと、現役女子大生で恋愛コラムが人気の胎盤JDさんによるスペシャル対談では、「モヤるのがおかしい?」をテーマに、普段流してしまいまがちな違和感や呪縛について話し合ってもらいました。

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「結婚して一人前」「結婚したら幸せになれる」だから「誰もが羨む結婚をしたい」という価値観。高学歴で高収入のハイスペック男子をゲットして、できれば男性に養ってもらいたいと思っている女性も未だ多いようです。そんな女性たちに、「肩書きや学歴だけで選ぶと絶対に後悔する!」と警鐘を鳴らすのは、SNS界で大人気の現役女子大生コラムニスト・胎盤JDさんとバリキャリ女子でコラムニストの川村真木子さん。大いに盛り上がった対談の結末とは?

高学歴、一流企業etc.ハイスペック男子が求める結婚相手

――川村さんはアメリカの公立最難関、UCバークレーを卒業して、外資系金融業界でご活躍されています。まわりには高収入のハイスペック男子が多いと思いますが、そういった人たちが結婚相手に求めるものというのは?

川村真木子さん(以下川村):私が以前勤めていた外資系投資銀行の日本支社に関して言うと、彼らの結婚相手は明らかに自分よりも稼ぎもスペックもずっと低い人っていうのが当たり前に見えました。ニューヨークオフィスの場合は、女性の方もコンサルだったり、弁護士だったり、お互い刺激しあえる相手とか同じようなスペックの人と結婚している人が多いんですね。それで必ずしも美人っていうわけでもないので、もっと人間的なところを見ているような感じがしたんです。対等なパートナーシップではない、あえて「自分と同じ土俵ではない相手」で「普段の激務を忘れて癒される相手」を選んでいる感じがあり、日本社会の闇を感じましたね。

――日本人の男性がこじらせている?

川村:めちゃめちゃこじらせているように感じます。私がカリフォルニアの大学に留学していたときも日本人の男子留学生がたくさんいましたけど、彼らも無意識だとは思うのですが、幼い頃から男女差別と区別の比較的激しい日本社会で「男子たるもの強くあるべき」「もともと弱い存在である女性を守るべき」「男らしく」「弱音を吐くな」「女性を養ってナンボ」と言われ続けて育つと、誰でもそれなりにこじらせてしまうと思うのです。

胎盤JD:東大男子の話をしたときもいいましたけど、彼女や奥さんとして彼らが選ぶのは賢すぎない、自分よりもちょっと下のレベルの女性なんですよね。結婚相手に求めるものは、話し合えるパートナーというよりは風俗嬢兼家政婦を求めているみたいな。

川村:たしかに(笑)。

「俺様系」を生み出す、メディアの影響

胎盤JD:家庭環境や教育も影響していますよね。「女性は一歩下がって」っていうのを子どもの頃から見ていると、男性たちも「女性は俺を立ててくれないとだめ」という思考になっていくというか。

川村:それはあると思いますね。子どもの頃にいつもお父さんを立てているお母さんを見ていてこれが家族だと思い込んでいるとか。あとは文化の要素が大きいんですけど、私の年代のアラフォー男性がそんな感じだったらまあ時代的にもしょうがないなとは思うんだけど、胎盤ちゃんの世代でもそうっていうから、なんかもう直しようがないなと思っているんですけど。日本の学校や日本のメディアの洗脳を受けて育つとどうしても女性は自分に自信が持てないし、男尊女卑というものが幼い頃から自然と身に着いちゃうんじゃないですかね。

胎盤JD:メディアという点でいうと、うちはほとんどテレビを見ない家だったんですけど、私自身はぎりぎりテレビを見る世代かもしれないんです。でもやっぱりテレビよりもYoutubeなどのネットの方の影響が大きいですね。YouTubeはテレビみたいにしっかりした放送基準みたいなものがないから、余計に危ないように思えます。例えばYoutubeでも男尊女卑というか、女たたきの動画ってあるんですよ。ちょっと前ですけど、ユーチューバーの男の子2〜3人が街を歩いている女の子の顔をみて、ブスだのなんだの勝手に点数をつけて評価していくチャンネルがあって、めっちゃ炎上したんですけど。そういうのを見て「女の子の人権をふみにじっているし最低だな、こんなのは見たくない!」って思える男の子になってほしいし、そういう心を育てられるかが大事だなって思います。

本当に仕事ができる男性は「他者の痛みがわかる人」

――自分でそういったことをジャッジできたり、考え方の軸を持つためにはどうしていったらいいでしょう。

胎盤JD:そもそも私自身も、高校生のときはけっこう偏った考え方をもっていたんです。ネットを見ていても、自分を中心に考えて、自分より下の人をばかにして、それより上の人を拝むというような極端な考え方で。それが何で変わったかというと、いろんなSNSを見ているうちに、自分も女性として差別を受けている側だったんだってあるときに気付いたんですよね。差別を受けているだけじゃなくて、差別をしてきた歴史もあるんだっていうことを学んで、差別される側のことを考えるようになってすごく変わりました。やっぱり日本の男性で学歴もあってお金も困ってなかったら、自分が差別される側に立っているなんて思わないじゃないですか。だから、こういうことに気付くきっかけってないんじゃないかなって思っていて。基本的に視野が狭いから差別しちゃうのかもしれないですよね。

川村:そうですね。私は、仕事ができる男性っていうのは他者の痛みがわかる人だと思っているんですね。特に多くの人をまとめるリーダーになるような人にはそれは欠かせない。だからこそ、視野が狭い、偏った人は危険だと思います。

――自分の考えを偏らせないためには、どうしたらいいのでしょうか。

川村:ほかにはどんな考え方があるのかっていうのを常に想像することが大事ですよね。私自身も日本で何か問題があるたびに、海外ではどうなんだろうって調べていますね。メディアに載っていなかったら海外にいる友達に聞いたりして。常に別の物差しを持っておくと自分が暴走しないで済むんですよ。だから胎盤ちゃんのいう通り、この国にいてそれだけハイスペック男子になっちゃったら、ほかの人はどう思うだろうなんてって考える必要もないでしょうし、けっこう危険人物と化していきますよ。

胎盤JD:そういう俺様系の人と結婚したら、結婚生活が辛いですよね。

川村:だから若い人に私がいつもおすすめしているのが留学なんですね。自分たちと違った価値観の人と長く一緒に過ごすと、いろいろと気づけるから本当に視野が広くなりますよね。

胎盤JD:日本ではちやほやされるから、むしろ海外に行ったことで、日本最高!って思っちゃう男性も多いみたいですけど(笑)。でもたしかに海外経験っていうのは大事ですよね。海外経験だけじゃなくても、広い価値観に触れることや自分と違う価値観があることに気づけることは大事だと思う。ハイスペック男子に限らずですけど、偏った考え方をしていないか、パートナーとして対等な関係を築けそうな人かっていうのは、男性を見極めるポイントになりますね。

Profile

川村 真木子さん
奈良県生まれ。一児の母。高校時代に渡米、UCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に転籍。3万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。

胎盤JDさん

現役女子大生。美容、恋愛、人間関係に関するつぶやきが人気で、Twitterは現在15万フォロワー。全日本元カノを許さない協会会長。Twitter@kopiJd。著書『「誰でもいいから電話しよ」の「誰でも」は君のことだよ』

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Text by Mayumi Hasegawa



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