【最強のダイエット朝ごはん「卵かけごはん」】管理栄養士が教える美味しくて安全な卵の選び方

 【最強のダイエット朝ごはん「卵かけごはん」】管理栄養士が教える美味しくて安全な卵の選び方
石松佑梨
石松佑梨
2021-09-29

コロナ禍で、もうくたくた…今こそ、頑張らない食トレを始めてみませんか? 私は幼い頃から朝ごはんが大好きでした。味噌汁をすすった時のホッとゆるむ感覚は誰もが経験したことがあるものではないでしょうか。トントンと野菜を切る音や、トーストが焼ける香ばしいにおい、元気色の彩りフルーツ…朝ごはんは1日の始まりを五感で感じられる幸せな食事です。「ゆるく豊かな朝時間 × ずるい栄養学」で始まる「キレイが目覚める朝ごはん」の連載です。

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毎日食べる卵は、しっかり選ぶべし!

卵は、鶏の食べたものや生活環境がそのまま反映されています。

毎日食べるものだからこそ、しっかり選びたいですよね。

卵の色で選ぶ

一般的に白玉と赤玉では、赤玉の方が高級に思われがちな卵ですが、卵の殻の色は遺伝的な要素によるもの(例外はあるものの羽の色と同じ色の卵を産む)であり、同じ環境で育った鶏には味や栄養価の違いはほぼ見られないそうです。

つまり「殻の色」で卵を選ぶ必要はないことがわかります。

では、濃いオレンジ色をした卵黄は濃厚で美味しく、栄養価も高い。これは事実でしょうか? 

卵黄の色は親鶏のエサに由来しています。確かに、濃いオレンジ色の卵黄は濃厚で美味しい気がしますよね…しかし、そのイメージによる価値をつけるために、多くの養鶏場ではエサのトウモロコシにパプリカやマリーゴールドなどを加えているのです。

鶏のエサには遺伝子組み換えやポストハーベストの心配がある輸入トウモロコシが使われていることが多いようですが、その一方で国産の米や麦、良質なタンパク質源である魚粉、血液を弱アルカリ性に保つ炭、米ぬかを微生物発酵させた整腸作用のある飼料などを独自にブレンドされて、健康な鶏を育てる農家さんもいらっしゃいます。実際、米を食べて育つ鶏の卵黄は白色ですし、自然の中で青草をたくさん食べて育った鶏の卵黄はレモンイエローです。

このように、鶏のエサを反映している「卵黄の色」は、美味しく安全な卵選びの判断基準の一つになります。

パッケージに書いてある「平飼い卵」ってなに?

平飼いとは、鶏を放し飼いの状態で飼育する方法です。自由に動き回って体力があり、ストレスも少ないため、病気になりにくく薬に頼らなくても健康で丈夫な鶏に育ちます。

日本では国土の狭さや高温多湿でバクテリアが繁殖しやすいことから、養鶏場の約90%以上がケージ飼いをしています。窓のない小さなケージに鶏を何羽も詰め込む飼育方法は、人間にとっては都合が良い(生産効率がよく安定供給しやすい)環境ですが、鶏にとっては非常にストレスで病気にもかかりやすく、エサに抗生物質を入れて病気にかからないようにしていることも多いようです。

身体のために薬の使用は控えているという方も、知らず知らずのうちに卵や鶏肉からとっているかもしれません。このように健康な鶏や卵を知る上で「平飼い卵」は安全な卵選びの判断基準の一つになります。

卵
卵を選ぶ際、殻の色より卵黄の色を選ぶポイントに!
photo by Adobe Stock

いかがでしたか?

卵の殻の色は遺伝によるものですが、卵黄の色はエサによる違いです。

これは人間と全く同じで、私たちの個性にとって「遺伝」も大きな要素ではありますが、普段食べているものやストレス、運動などの「生活習慣」こそが「今の自分」を作っていることを痛感させられるものです。

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石松佑梨

石松佑梨

サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。



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