【40代のリアル】更年期の不調やモヤモヤを抱える"今"は健康?不健康?「健康とは何ぞや」を考える

 【40代のリアル】更年期の不調やモヤモヤを抱える"今"は健康?不健康?「健康とは何ぞや」を考える
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井上敦子
井上敦子
2021-04-20

不調がなく健康な状態でいられるのなら、もちろんそれが一番理想的です。では、更年期で不調が続いている期間は健康でいられないのでしょうか?もしも心身が完璧に整った状態だけを健康と呼ぶであれば、一体どれだけの人が健康なのか。そもそも健康って何?今回は、健康を伝える仕事をしながらも更年期のモヤモヤを抱えている立場から「健康とはなんぞや?」ということを考えてみました。

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そもそも『健康』とは?

身体も心も健康だ!と、胸を張って言える状態がどんな状態だったのか思い出せないくらい、最近の私はどこかしらに不調を抱えています。これがいわゆる更年期症状(不定愁訴)なのだと理解はしています。一方で私の仕事は、『健やかさ』を伝える仕事。自分が健康だと言い切れない状態で健康に導く方法(ヨガ)を伝えていいのだろうか・・・ふとした時に思い悩むことがあるのです。

では、健康とは一体どんな状態を指すのでしょうか?『健康とは何か』という問いに対する答えは、漠然としていて定義が難しいように感じます。一般的には病気がない状態を健康と呼ぶのでしょうが、世界保健機関(WHO)では健康を次のように定義しています。(厚生労働白書より抜粋)

健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない

肉体的な疾患がなく病弱でないことに加えて、精神的にも社会的に見ても良好である状態を『健康』と定義しているようです。肉体面・精神面・社会性、この3つが揃って初めて健康と呼ぶことが出来るのですね。

健康の定義・思い込みを変えていく

一方、明確な原因がない不調(不定愁訴)を抱えている場合はどうなのでしょうか?それって健康じゃないってこと?先日ヨガクラスで45代以上の女性が集まった時にそんな質問を投げかけてみたら、ある方がこうおっしゃいました。「完璧な状態だけが健康だという思い込みをなくせば、更年期であっても不調を抱えていても健康的に生きることは可能だよね?」と。確かに…若い頃に持っていた健康のイメージをスタンダードにしてしまうと、年齢を重ねていく上で出てくる不調をうとましく思ってしまう。なんとか改善したいと頑張ってしまう。でも、年齢に合わせて健康という基準の設定を変えていくことで、不定愁訴を抱える時期も健やかさを見つけることが出来そうです。

実際に40代以上の女性が集まるそのグループでは全員が何かしらの不調を抱えているけれど、「今日はちょっとラクよ」とか「別の不調が出てきたけど上手に付き合っていく!」といった風に、不調を受け入れながらも健やかに生活されている方が多い。治癒する・改善するといった方向性ではなく、不定愁訴といった不調を許容しながら健やかさを探るといった価値観。それが更年期に入っていく40代の私たちに必要な健康に対する価値観なのかも知れません(原因がある疾患や不調は許容せず改善していった方が良いのでしょうが)。そんなヨガクラスでの会話を聞きながら、私も今の自分に合った新しいスタンダード=健康基準を作っていきたいと思ったのでした。

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井上敦子

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。



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