足の耐用年数は50年?「自分の足で歩くこと」を維持するためにできることは|足の総合病院に聞いた

 足の耐用年数は50年?「自分の足で歩くこと」を維持するためにできることは|足の総合病院に聞いた
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人生100年時代といわれる今、健康で長生きするために大切なことは何か。 “足から健康を支えてゆく。”という大きな課題に取り組んでいる、日本で唯一の足を専門とする 総合病院「下北沢病院」理事長・医師の久道先生にお聞きしました。

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人生最後の3つの階段。一段目が「歩くこと」

人生100年時代といわれる今、老年医学で公式化されている日本の特徴は、他の国の半分くらいのスピードで高齢化社会が進んでいるということです。多くの人は、年齢とともに人生の最後の3つの階段を下りていき、死に至ります。

1段目は歩くこと、2段目がトイレ、3段目が食べること。歩くことを維持できれば自分の身の回りのことができるので、3つの階段を下りはじめる時期を遅らせることができます。健康寿命を延ばすためには、歩くことの維持が最も大切なことなのです。

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人生最後の3つの階段

足の耐用年数は50年

診察を重ねるなかで、足の耐用年数はおよそ50年と実感しています。ちなみにこの耐用年数とは、使えなくなるという意味ではなく、何をしなくても元気なままでいられる年数と考えていただくと良いかもしれません。

多くの方は、50歳以降から足に様々な異常が出てきます。股関節の骨折や骨粗鬆症など、足の痛みや不具合によって歩く機会が減ると、歩けなくなる時期がどんどん早まってしまうのです。

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足の健康・歩くことを維持するためには、毎日歩き続けることが一番の対策。
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足の健康・歩くことを維持するためには、毎日歩き続けることが一番の対策です。無理のない範囲で十分に歩くことが理想的といわれていますが、残念ながら今の日本の40〜50代の方は、1日の歩数が少ない傾向にあります。コロナ禍であることが、それに拍車をかけています。歩行機能は使わなければ、どんどん退化していきます。足に不具合がない方は、1日8000歩程度でいいので歩くことを続けて欲しいと思います。

足のセルフケアで歩くことを維持

長く歩き続けるには、脚の筋力が必要です。そのためにも、スクワットやお尻を鍛える筋トレは習慣化してほしいものです。さらに、アキレス腱の硬さも、足に負担をかける要因となります。外反母趾や足底腱膜炎、冷え、むくみなど、さまざまな足の不調を防ぐために、私たち下北沢病院はアキレス腱伸ばしの習慣化をおすすめしています。

まとめ

歩くことの維持が、健康寿命を伸ばす。人生最後の3つの階段を下りる時期を遅らせるためにも、意識していきたいですね。次回は、足を守る下北沢病院がおすすめする「アキレス腱伸ばし」の重要性について、紹介します。

教えてくれたのは…下北沢病院理事長 久道勝也先生

獨協医科大学卒業。順天堂大学皮膚科入局。ジョンズ・ホプキンス大学客員助教授などを経て、米国のポダイアトリー(足病医学)に注目し、アジア初の足専門の総合病院「下北沢病院」を設立。著書に『死ぬまで歩きたい!−人生100年時代と足病医学』(大和書房)『“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ』(日経BP)がある。

下北沢病院
『“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ』(日経BP)

 

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Text by Yuki Igarashi

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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