更年期のこと知ってるつもりで誤解してない?【更年期のウソ・ホントQ&A】

 更年期のこと知ってるつもりで誤解してない?【更年期のウソ・ホントQ&A】
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増田美加
増田美加
2021-06-18

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。知っているようで意外と知らない更年期の正しい知識。誤解して理解していることも少なくありません。正しい情報を得て、思い込みに惑わされないようにしましょう。正しく知れば、怖くないし、有効な対策も立てられます!

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Q.更年期世代になると、誰もが更年期障害になるの?

A.本格的な治療が必要になる人は、更年期女性の全体の2割~3割程度です

日常生活や仕事に支障が出るような重い症状が出て「更年期障害」と診断されて、本格的な治療が必要になる人は、更年期女性の全体の2割~3割程度と言われています。

日常に支障があるほどのつらい症状のものを「更年期障害」と呼び、更年期世代だからこそ起こるさまざまな症状を「更年期症状」と呼んでいます。なんらかの軽い更年期症状は、多くの女性が経験しますが、全ての女性が更年期に、更年期障害を経験するわけではありません。

更年期という時期を必要以上に不安がらなくても大丈夫です。体の声に耳を傾け、体の変化を実感しながら、自分にあった対策やケアを考えることが、更年期からの人生を健康で楽しく生きるきっかけになります。更年期は、人生の第2ステージの始まりです! 前向きに捉えていきましょう。

Q.生理が早く来た人は、早く閉経してしまう?

A.初潮(初経)から閉経までの年数は人それぞれ

生理(月経)が早く始まったからと言って、閉経が早く来るとは限りません。初潮(初経)から閉経までの年数も人それぞれです。また、妊娠や出産経験の有無とも関係しません。あくまでも個人差です。

いつ閉経するかの参考になるのは、母親の閉経時期です。生活環境やライフスタイルによっても変わりますが、母親とは体質が似ていることが多いので、閉経時期も近いことが少なくないと言われています。

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初潮の時期と関係なく、閉経までの年数は人それぞれ/Gettyimages

Q.忙しいと、更年期症状が強く出やすい?

A.忙しいからと言って、更年期の症状が強く出るとは限りません

忙しいからと言って、更年期の症状が強く出るとは限りません。もちろん、時間に余裕があるからと言って、症状が軽くて済むこともありません。

専業主婦の女性は症状が出やすい、ということもありません。専業主婦だから、働く女性だから、ということで更年期に起こる症状に違いはないと言われています。

確かに仕事を持つ女性は、仕事に取り組むことで気持ちを切り替えやすいと言うことがあるでしょう。しかし、働く女性ならではの悩みやストレスもあります。症状が強く出るか否かに影響するのは、その人の体質やストレスを感じやすい性格や環境のほうが影響すると言われています。

更年期の症状は、「卵巣機能の衰え方の差や体質的な要因」「ストレスに対する抵抗力」「ストレスの大きい環境に置かれているかどうか」などの要素が複雑に絡み合って起こるのです。

Q.生理や出産が重かった人は、更年期症状も重くなる?

A.生理や妊娠時のつわり、お産が重さと更年期の症状は比例しません

生理や妊娠時のつわりがひどかった、お産が重かったからと言って、更年期の症状が強く出るわけではありません。また、妊娠、出産の有無や回数、妊娠中絶との関係もありません。

更年期の症状が強く出るかどうかは、先ほど紹介したように、卵巣機能の低下(衰え方)の具合いや体質、またその人の性格、取り巻く環境などが大きく関係しています。

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生理や妊娠時のつわりと更年期症状は比例しません/Adobestock

Q.治療で子宮を取っていると、更年期症状が出ない?

A.子宮の有無は、更年期の症状とは関係しません

病気の治療のために、子宮を手術で摘出していても、卵巣がひとつでも残っていれば、エストロゲンが分泌されています。更年期の症状は、卵巣の働きが衰え、エストロゲンの分泌が減ることで起こります。子宮の有無は、更年期の症状とは関係しません。

子宮を摘出して生理がないために、閉経の目安がわからない場合は、婦人科で女性ホルモンの状態をチェックしてもらうとよいでしょう。採血でチェックできます。女性ホルモンの値で、ある程度は、卵巣機能が低下しているかどうかがわかります。また、基礎体温を測って、排卵の有無を調べることも、閉経の手がかりになります。

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子宮の有無に関わらず、卵巣がひとつでも残っていれば更年期症状は出ます/Gettyimages

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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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