股関節が開きすぎってダメなの?|ヨガ解剖学

Rick Cummings

股関節が開きすぎってダメなの?|ヨガ解剖学

股関節の過可動の影響を理解するために、股関節の5つの層についての基本的な理解が必要だ。まず関節の構造は、大腿骨の先が球状になっており、関節窩におさまっている。これは、骨盤寛骨臼と呼ばれる。骨盤寛骨臼は、関節軟骨と関節唇に覆われている。関節唇は線維軟骨と線維性結合組織でできており、大腿骨頭を関節窩にとどめておく働きをしている。

股関節

この大腿骨頭は、薄い関節包に覆われていて靭帯に支えられている。強く、柔軟性のある線維である靭帯は、骨と骨をつないでいる。そして表層の構造は、動きを生じさせる腱と筋肉でできている。股関節の深部のそれぞれの構造は、安定性において重要な役割を担っている。関節唇は関節窩を深くし、大腿骨頭が抜け出るのを防ぐ。さらに、関節にかかる負荷を和らげ、大腿骨頭と関節窩の間の潤滑油になる。

関節包は、その他の層に安定性をもたらし、摩擦を減らす潤滑物質を分泌する。一方、股関節を包む靭帯は、どれだけ関節が動くかに関わり、関節や深い層にある軟骨を守る。また、靭帯は骨と骨をつなぐものでもある。しかし、靭帯には伸縮性がないため、過度なストレッチによって靭帯は伸び切ったままになってしまい、関節を守る機能が損なわれてしまう。いよいよ表面の層だ。多くの腱と筋肉が、股関節のすべての動きを生み出す。そして強さと柔軟性のバランスがとれていると、関節が安定する。

これらの5つの層は一緒に働いている。1つの層が機能していないとき、残りはよりハードに働く必要がある。また、靭帯が過度に伸ばされてしまうと筋肉は関節を安定させるためにより働かなければならない。もし筋肉が弱かったり、正常に働かなかったりすると、さらに深い層にある靭帯や関節唇が、体を動かすことによる衝撃を吸収する必要があるのだ。問題は、これらの層が正常に働けているかどうかが、たいていの場合分からないことだ。軟骨や靭帯には、あまり感覚がなく長期間にわたって悪化していく。つまり、痛みやその他の問題に気づく頃には、すでに損傷が起きているということだ。股関節をもっと柔軟にしようとしたり、開こうとしたりするとき、股関節の筋肉を強化して安定性と可動性を高めることはより重要なことなのだ。

バランスのポーズで立っているほうの脚に集中するのは、いい練習方法だ。中臀筋と小臀筋は立っているときの股関節の安定に重要だ。これらの筋肉は、関節唇、軟骨、靭帯が沈み込んですり減らないようにし、大腿骨頭が関節窩の適切な場所におさまるサポートをする。ヴィーラバッドラーサナⅢのようなポーズは、中臀筋、小臀筋、使って立っているほうの股関節を安定させるので、ほかの立位ポーズをサポートできるよう強化する練習として適している。

Photos by Rick Cummings
Model by Ratchaneewan Boonchaisuk
Styling by Jessica Jeanne Eaton
Hair&Make-up by Tiffany McCray
Translated by Mami Larch

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