非行少年の人生を変える!米国のヨガプログラム「人生変革スキル」とは

PIXTA

非行少年の人生を変える!米国のヨガプログラム「人生変革スキル」とは

VALERIE REISS
VALERIE REISS
2017-12-17

ヨガは大人のためのものだけではない。カリフォルニア州オークランドのビデュット・ボーズは、ヨガの効果を科学的に研究する学者。彼は特に、ヨガが子どもたちにもたらす影響について、科学的な観点で研究している。

人の行動パターンを変え、やがて社会を変える

バンクーバーで開催された脳開発学習会議において、ニローガ研究所の創設者ビデュット・ボーズが発表した「ヨガの効果~子供のストレスを減少させ、集中力を高める科学的根拠」は拍手喝采を浴びた。少し前までは、科学者たちにとってヨガの効果は理解されにくいものだった。しかし最近では、測定可能なヨガの効果を研究する科学者が増えてきた。
ビデュットはこう語る。「ヨガをただのリラックス目的の練習だと思っているたくさんの人たちに理解してもらえるよう活動しています。ヨガとは、とても深遠なもの。文字通り、私たちの脳を再び繋ぎ合わせ、個々の行動パターンを変容させ、社会的変化をもたらすことができるものなのです」。
元コンピューター科学者であるビデュットは昔、慢性的ストレスについて真剣に学ぶ学生だった。慢性的ストレスが及ぼす、健康、人間関係、生産性への悪影響をシリコンヴァレーで学んだ後、自分自身に問いかけた。「どのようにしたら、最大限、誰かに影響を与えることができるだろうか?」

青少年のストレスマネジメントに有効なヨガ

ビデュットは、インドの西ベンガルで育ち、ヒマラヤでラージャヨガを父と僧侶たちから学んだ。 
「私は、慢性的ストレスと暴力を解決する方法をすでにその頃から知っていました」。恵まれない若者たちの力になることを決意するまでの過程について、彼はこう語る。「都心部では、実に高校生の2人に1人が中退しており、その数は全米で年間約100万人にのぼります。これでは若者の未来の可能性を狭めることになり、非常にもったいない」
彼が作ったカリキュラム「人生変革スキル」(Transformative Life Skills)は略してTLSと呼ばれ、指導開始からすでに7年が経過した。TLSは、学校に通う子供たちが教室で簡単にできる15分単位のプログラムになっており、サンフランシスコ ベイエリアの少年拘置所、コミュニティーセンターを含む計40校に通っている約2000人の若者が受講している。また、ニローガ研究所はヨガを使って、若者が直面しているストレスやトラウマを解決していくことで、社会が抱える問題はヨガによって改善できるという結果を数値化し、今後の可能性を広げる多大な貢献をしている。
2008年には、サン・レアンドロにあるアラメダ郡青少年ホールでのリサーチ拡大のため、カリフォルニア州より寄付金が交付された。2009年には、その活動結果報告のため、ペンシルベニア州立大学防災研究センターの研究者たちと協力し、無作為化対照実験を行い、重要な実験結果を得た。ニローガ研究所のカリキュラムが、青少年のストレスマネジメント、感情抑制、集中力アップ、衝動制御、そして自己認識の改善に大きく貢献した。
ビデュットは最後にこう語った。「ヨガの影響力は絶大で、健康面に留まらず彼らの人生を変えます。変革を必要とする人々はスタジオに行ける状態ではありません。だからヨガが、彼らに会いに行ける仕組みが必要なのです」。

Translated by Joy Yu Natsume
yoga Journal日本版Vol.36掲載

RELATED関連記事

facebook

Yoga Journal Onlineをフォロー

Facebookページでいいね!する