コロナウイルスワクチン開発に1億円を寄付|75歳の米シンガーが世界を救うために立ち上がった意義

 コロナウイルスワクチン開発に1億円を寄付|75歳の米シンガーが世界を救うために立ち上がった意義
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横山正美
横山正美
2021-03-28
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寄付は接種優先の“特権”ではない

世界を揺さぶり続けてきた新型コロナウイルスの脅威との戦いだが、“ワクチン“という光明がわずかながらに見えてきた。現在世界中でワクチン接種が始まり、イスラエルなどいくつか国では明るいニュースも飛び込んできている。ここ日本でももうすぐ医療従事者を皮切りに、65歳以上の高齢者、高齢者以外で基礎疾患を有する人や高齢者施設等の従事者、そしてそれ以外と順次ワクチン接種が始まろうとしている。そんな中、ワクチン開発に大きく貢献したドリー自身は、ワクチン接種をもう少し待つことを決心したという。その理由は、「他の人を優先させたいから」。

コロナ ワクチン
photo by Getty Images

「私は75歳。だから法的にも十分接種可能な条件を満たしています。でも、ワクチンが出来たからといって、率先して受けるつもりはありません。私より高齢だったり、若くても重篤な状態にある人など、もっと必要としている人を早く救って欲しいと思っています。多額の寄付をしたからといって、優先的に接種できるなんて道理に反している。もちろん、時期がきたら私も受けますが、今は私より危機的な状態にある人を優先して欲しいと思います」。

とは言いながらも、本音を言うと75歳の誕生日を迎えたその日に一度は接種しようと思ったと打ち明けた彼女。しかし、すぐさま頭の中でその考えを打ち消したという。

「多額の寄付をした私がすぐに接種したら、まるで何か“慈善ショー“みたいに見えてしまうでしょう?それは私にとって本意ではありません。私の活動の全ては、心からのものなのです。でも、時期が来たら必ず接種するつもりですし、その時はカメラを入れて撮影します。そして接種した後、どんな症状が出たか詳しく皆さんに伝えます」。

ドリー・バートン
1974年頃のドリー photo by Getty Images

こうして長年のキャリアで得た富を、人類の危機を救うために惜しみなく注ぐドリーは、全米で大々的なワクチン接種が始まってから数週間後の3月3日、公言した通りCBSニュースらテレビカメラを入れて自身のワクチン接種の様子を公開した。そんな彼女は、以前こんなメッセージを送っている。

「パンデミックに見舞われた時、私はすぐさまワクチンが必要だと考えました。そして、ヴァンダービルト医療センターで研究開発が始まったことを知ったのです。そこで何か私にできることを考えました。これから私の発信する事全てが、誰かの救いになること願っています。神がいつも私を正しい道へと導いてくれるよう祈っていますから、私はただ自分の心が命ずるままに動くだけです」。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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横山正美

横山正美

ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。



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