「依存症を克服するヨガ」主宰が語る、どん底の人生からの脱出

CINDY LOUGHRIDGE, STACY NEWGENT, CIQ HARVEY

「依存症を克服するヨガ」主宰が語る、どん底の人生からの脱出

ニッキー・マイヤースは、インディアナ州インディアナポリスで「12ステップで依存症を克服するヨガ」というクラスを主宰している。彼女自身が、かつて薬物依存、売春依存に苦しみ、ヨガで立ち直った過去をもつ。彼女の現在の活動と、今後の展望について話を聞いた。

「12ステップで依存症を克服するヨガ」(Yoga of 12-Step Recovery略してY12SR)のクラス前半は、ヨガクラスというよりもむしろアルコール依存者更生会に近い。みんなで輪になり、依存症を克服するために努力していることや、その苦しさなどをお互いにシェアする。その後でヨガを始める。というのも、創設者のニッキー・マイヤースは、依存症克服の過程で最大の味方になってくれるのは、自分自身の体と向き合うことだと考えているからだ。
「依存症症状があることを、自分の頭で認識しているだけでは克服はできません」とニッキーは話す。「自分の頭で認識することと、自分の体を動かすことを合わせることでようやく克服に効果が生じ、再発防止にも繋がります」と続ける。彼女はその信念を「私たちの問題は、私たちの細胞の中にある」と表現する。これは依存症の原因がトラウマにあること、そしてトラウマから解放されるためには肉体運動を基盤とした練習が効果的であると考えているからだ。

ヨガをリハビリテーションの一環に

薬物依存を克服し、売春依存から立ち直ったニッキーは以前、昔からある12ステップのリハビリプログラムを受けながら、依存症再発と自責の念に悩まされるループに陥っていた。しかし、リハビリの一環としてヨガを始めたことで彼女は変わり始めた。ヨガを深く掘り下げて学んだことで、彼女が当時受けていた昔からある12ステップのリハビリプログラムの意味を総合的に理解し始めたのだ。
ヨガ・スートラ』も勉強し、自分のリハビリにどう使えるか考えた。『ヨガ・スートラ』の一節「将来の苦しみは回避することができる」という言葉が、彼女の人生を照らす光になり、導いた。そしてこの13年間、彼女の依存症は一度も再発していない。
一般的な社会団体が提供しているリハビリプログラムには、体、マインド、魂の繋がりを考えたカリキュラムが少ない。そこで彼女は2004年に、このY12SRプログラムを開発し、依存症リハビリセンターやヨガスタジオ、コミュニティーセンターで指導を始めた。今ではその活動が全米中に広まりつつある。2009年にニッキーは指導者育成を始め、すでに300名以上の修了生を輩出し、60以上のグループが全米中の教会や、コミュニティーセンターでクラスを開催している。
彼女は今年だけで13回の指導者養成コースを開催予定で、その他に講演など多忙なスケジュールをこなしている。それは、彼女が強い使命感によって突き動かされているからだ。なぜなら彼女の夢は、Y12SRを大学の授業として受けられるくらい広範囲に普及させることだからだ。
「もし、あの地獄のような日々を私がもう一度乗り越え、ここまでの道のりをもう一度歩かなければならない事態になったとしても、私は大丈夫。きっとまた私は同じようにこれまでの活動を喜んで選ぶと思います」。これは、彼女が薬物常習者として生きたどん底の人生を指して語っている。「今の私の活動は、今までの全てを受け入れた本当の私自身になるための活動でもあります」

Text by Valerie Reiss
Translated by Joy Yu Natsume
yoga Journal日本版Vol.36掲載

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