華やかな活躍の裏にあるもの|元祖世界トップYouTuberが抱えた光と影
成功と引き換えに見舞われた“異変”
そのキュートなルックスも相まって、彼女の元には毎日のように様々なブランドのとのコラボの話やPRの契約が舞い込んできた。そんな自分を誇らしく思い、嬉しかったと言う彼女だが、ある時点を境にその心境に変化が生まれたという。
「いつからだったかしら、宣伝契約を交わすたびに、心の中がだんだん荒んでいく自分がいることに気づいたんです。心の奥底で、ああ、私の能力を求めているんじゃない、私は歩く広告塔でしかないんだ、と」。
上昇する生活レベルと認知度。しかしその一方で、いつしか心に闇が生まれ、あんなに楽しかった動画の編集作業すら嫌になったという。
「そんな毎日がずっと続いていたある日、ふとデジタルなものから一切離れたほうがいいかもしれない、と感じ始めたんです。もちろん、デジタルコミュニティには愛着があるし、そこと離れることは寂しかったけれど…でも、息切れしている自分に気がついたから、一旦更新をストップして親元に戻ろうと決心したんです」。
その直後、毎日のように更新し続けてきた彼女のチャンネルは、前触れもなく一切の活動を停止。ユーチューブ界に大きな衝撃が走り、ファンの間では様々な様々な憶測が飛び交うと同時に、「ミッシェル・ファン死亡」説までが囁かれたほどだった。しかし、その時の心情を彼女はこう語る。
「チャンネルが毎週更新されているなら、その人は眠っていないということ。ほとんどの人は、YouTuberは皆睡眠時間を削って作業していることを皆さん知らないだけなんです。手軽にお金を稼ぐことができるんだろうと。でも、チャンネルを運営するということは、コンスタントに撮影して、編集して、アップして、そしてまた新作を作って…の繰り返しなんです。いくら自らが望んで始めたこととは言え、それを毎日続けるのはしんどいことです」。
「“好き”を“仕事に”」とはよくいうが、好きなことが流れ作業に感じるようになると、さすがに疲弊してしまうものだ。
「頭の中は、毎日毎日次の動画のことばかり。でもやっと作った動画の再生回数が少ないと、また違うプレッシャーが生まれてくる。そうすると次に考えるのは『どうやって再生回数を伸ばそうか?』ーーこれを考え出したら、ある意味もう終わりなんです。自分のポリシーに対する妥協の連続が始まりますから」。
そんな理由から、彼女は更新ストップを決意した。と言うより、心の中に様々な葛藤を抱えていた彼女は、強制終了するしか他に術がなかったのだという。
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