疲労レベルがわかるチェックリスト|呼吸と疲労の関係性とは【疲労回復とヨガ#12】

 疲労レベルがわかるチェックリスト|呼吸と疲労の関係性とは【疲労回復とヨガ#12】
Adobe Stock
井上敦子
井上敦子
2020-09-13

頑張り過ぎている時に無意識に息を止めていたり、リラックスが必要な時に自然と溜息が出たり。私たちの身体と心の状態は呼吸と密接に関係しています。 普段は無意識に繰り返している呼吸。その呼吸を意識的に観察することで今の自分の状態を知ることが出来るし、呼吸によって疲労を軽減することも可能です。そしてヨガの練習は、呼吸の持つ力を最大限に引き出すものでもあります。 今回の【疲労回復とヨガ】では自分の呼吸をチェックし、疲労度を測っていきましょう。呼吸を深めるためのヨガポーズもお伝えしていきますので、ぜひ実践されて下さいね。

広告

あなたはどの呼吸タイプ?呼吸で疲労度をチェック

あなたは日頃、どんな呼吸をしているのか自覚していますか?ヨガクラスに初めて来た方は、『自分の呼吸の浅さに驚いた!』という感想を持たれることがとても多いものです。呼吸は無意識に行っている行為なので、改めて呼吸を意識的に観察してみると様々な気づきがあります。

以下の方法で、今の自分がどんな呼吸をしているかをチェックしてみましょう!クラスで見受けられる呼吸のパターンを3つに分け、それぞれの特徴を解説しています。疲労度のチェックも行っていただけます。

あなたの呼吸と疲労度をチェックしよう!

チェックの行い方

  1. 背筋を伸ばして座る(床でも椅子でもOK)
  2. まぶたを閉じて、何回か溜息をつくように口から大きく吐き切る
  3. リラックスするようにイメージしながら、自然に何回か呼吸をする
  4. 片手を胸の中央にあて、もう片方の手を下腹部(おへその下)にあてる
  5. 『リラックスした状態の自然な呼吸』で、胸とお腹の動きを観察する

あなたの呼吸はどのパターン?

①胸が大きく動き、お腹がほとんど動かない

あなたのタイプは・・・交感神経が優位の緊張が強いタイプ 

あなたは今、副交感神経(リラックスの神経)より交感神経(アクティブな神経)が優位に立ち、リラックスのスイッチを押しにくい状態にあるようです。ストレスや疲労が溜まっている可能性も。リラックス時は胸周りだけでなく、お腹が動くような呼吸を試みてみましょう頭や心を休ませる時間を確保し、バランスを取っていくことも大切です。

②胸もお腹も大きく動く/お腹の方が大きく動く

あなたのタイプは・・・緊張とリラックスのバランスがとれた安定タイプ

胸もお腹も使いゆったりと深い呼吸が出来ているあなたは、心身が安定した状態にあるようです。普段からオンオフのスイッチもスムーズに入れ替えることができ、疲労を溜めない基礎的な力があります。ストレスや疲労を敵としてとらえず、これからも更に上手に付き合っていって下さい。

③胸もお腹もほとんど動かない

あなたのタイプは・・・ストレスフルで疲労度が高いお疲れタイプ

胸にもお腹にも動きが感じられないあなたは、呼吸が浅いという特徴があるようです。呼吸の浅い状態は、ストレスや身体的疲労が蓄積されたサインです。呼吸の浅い状態が続くと、疲労が抜けにくいというデメリットも・・・。深い呼吸が入るスペースを確保するために身体に適度なストレッチを加え、日頃から深い呼吸を心がけましょう。リラックス時には特に、胸とお腹の両方を使った呼吸を試みて下さい。

呼吸の基本的な仕組みを知りましょう

人は平均1分間に15~20回も呼吸しているといわれ、1日に換算すれば約3万回も呼吸をしていることになります。呼吸をしない状態では、5分程度で命を落としてしまうそう。私たちの一生は、呼吸と共にあるといっても過言ではないでしょう。

肺は自分の力で空気を吸い込んだり吐いたりすることが出来ません。肋間筋という胸の周りにある筋肉や横隔膜という胸とおなかを隔てる膜の力を使って、吸って吐いてという働きを行っています。上記の呼吸チェックは簡単にではありますが、肋間筋と横隔膜の動きを確認するために行ったものです。

呼吸には大きく分けて、以下の2つの種類があります。

胸式呼吸

胸式呼吸は文字の通り、胸を使って行う呼吸です。アクティブな状態にある時、力みが強い時、スポーツの最中などはこの呼吸を無意識に行っています。ヨガのポーズでも立ちポーズなど筋力や体力を使う場面では、この呼吸を用いることがあります。

この呼吸は、胸、首、肩など上半身の筋肉を動かし「吸う」ことを得意とします。吸う息は交感神経を優位に立たせる働きがあるので、アクティブに動くべき場面には適している呼吸です。

ちなみに、『胸式呼吸は呼吸が浅い!』という勘違いがヨガクラスでも見受けられるのですが、それは間違えです。肋骨を効率的に使い背中の方向にも肺を広げることが出来れば、胸式呼吸でもお腹を使う呼吸(腹式呼吸)と同じくらい酸素を取り込むことが出来ます。

腹式呼吸

腹式呼吸は、横隔膜を上下に動かしながら行う呼吸です。横隔膜を上下に動かすので、肺が大きく縦に伸びたり縮んだりします。そのため、お腹が動くという仕組みです。

吐くことを得意とし、深くゆったりとした呼吸であることが特徴です。副交感神経を優位にしリラックスを促す呼吸なので、リラックスしたいときに意識的に行ってみると良いでしょう。先ほどのチェックでリラックス時にお腹が動く呼吸をしていなかった方は、お腹を膨らませたりへこませたりしながら呼吸の練習をしてみて下さい。横隔膜の動きをつくるまで多少時間はかかりますが、身体に腹式呼吸を覚え込ませることでリラックスしやすい体質に変化していきます。

この2つの呼吸は、どちらが良くてどちらがダメというわけではありません!しかしながら現代人は胸式呼吸になっている時間が圧倒的に多いそうなので、腹式呼吸を意識的に行う時間を取ることをオススメします。

またヨガクラスで心配になるのは、どちらの呼吸を行っているにせよ呼吸が浅い方。胸式呼吸でも腹式呼吸でも呼吸は深くすることが出来ます。しかしながら呼吸が浅い場合、疲労が溜まりやすい・抜けにくいというデメリットがり、身体の機能を低下させてしまいます。まずは深い呼吸を心がけ、深い呼吸が入っていくスペースを身体につくってあげることが大切です。

呼吸を深めるための2つのポーズ

背中側に呼吸が入らない方へ:マルジャリャーサナ(猫のポーズ)

猫のポーズ
猫のポーズ

【行い方】

  1. 両手と両膝をついて四つんばいになる
  2. 両膝は腰骨の真下、肩の真下に手首がくるようにセッティングする
  3. 息を吐きながら、肩と膝の位置は動かさずに背骨を丸くして天井へ突き出す。頭頂を床へ向ける
  4. 背中が大きく盛り上がるように意識しましょう。
  5. 息を吸いながら、四つんばいへ戻る。

お腹を使った呼吸が苦手な方へ:チャンドラーサナ(月のポーズ)

月のポーズ
月のポーズ

【行い方】

  1. 両脚を揃えて立ち、両腕を耳の横にセッティングする
  2. 左右の手のひらを頭上で合わせる
  3. 息を吐きながら体を右側に倒す
  4. 肩と耳が近づかないようにしながら、可能であれば視線は左斜め上へ
  5. 左側も同様に行う

※体側を長く伸ばすことで脇腹を広げ、お腹の内側に呼吸が入るスペースをつくっていきます

ライター/井上敦子
15年の会社員を経てヨガ講師に転身。ヨガで不眠症を克服した経験からストレスをリリースするクラスを得意とし、ヨガニードラ指導者養成講座・企業向けヨガ・海外リトリート主催・コラム執筆など幅広く活動中。

Instagram:@yoga_atsuko.inoue

 

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

猫のポーズ
月のポーズ