ジェンダーは誰かが決めた"概念上のルール"でしかない|キレイな人の脳内 #3 エリカ・リンダー

 ジェンダーは誰かが決めた"概念上のルール"でしかない|キレイな人の脳内 #3 エリカ・リンダー
(C)2016, Serendipity Point Films Inc.
横山正美
横山正美
2020-06-25

ルイ・ヴィトンやトム・フォード、そしてシャネルなどのランウェイに颯爽と登場し、世界の名だたるメディアで“ジェンダーフリーモデル”としての魅力を惜しみなく披露するエリカ・リンダー。無造作なプラチナブロンドの下の端正な顔立ちはどこまでも意志的であり、その惹きこまれそうな碧眼には燃えるような情熱と氷のような冷静が潜む。俳優として、また『THREE』のミューズとして世界中を虜にするエリカの素顔に迫った。

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"第3の価値"を持つ存在

刺すような冷たい風が吹きすさぶアイスランドの荒野に佇む、一体の“アンドロイド”。仕立ての良いマニッシュなスーツに身を包み、一言も言葉を発することのないそのアンドロイドは、アイスブルーの眼だけが内に潜む情熱を物語る。無表情な顔立ちはハンサム”ウーマン”そのものだが、そのアンドロイドの前に人間界の“ジェンダー”など何の意味も持たない。そう、それは新たな“第3の価値”を持つ存在だ。

エリカ・リンダー
最新主演ショートムービー『I AM THREE』。しかし残念ながら先の緊急事態宣言の影響を受け、現時点では一般公開日は未定だ。

アンドロイドの名は、エリカ・リンダー。全編アイスランドで撮影された最新ショートムービー『I AM THREE』 の主演を務めたミューズにして俳優・スーパーモデルである。

 「撮影は本当に過酷だった。撮影日程はたった2日間というタイトなスケジュール。それに、スッキリ晴れたかと思えば、数分後には真っ暗になって嵐が吹き荒れるという荒天。時間を追うごとに激変するアイスランド特有の気候と極寒の中で、終始一言も喋らない役を演じるというのは本当に難しかった。でも、私はアイスランドからはそんなに遠くない国のスウェーデンで生まれ育ったから、寒さには慣れているけれど。それにこの役は終始ロボットのような動きをする必要があったから、この寒さがかえって好都合だったと思う。ある意味演じやすかったかな。役作りのために、ロボットの動きをじっくり観察したり、サイレント映画を繰り返し見て、制限された動作の中でいかに役を表現するかを研究した。特に力を入れたのが、眼の表現。無表情の中で唯一感情を表現できるのは眼だけだったから」。

スウェーデン、ストックホルム市スンドビュベリ生まれ。14歳の時に友人と観に行った音楽フェスでスカウトされ、モデルとしてのキャリアをスタートした。しかし、スカウトされた当初は全く興味がなかったため、本格的に活動を始めたのはずっと後のこと、しかも俳優のキャリアと同時だったという。

ケイティ・ペリーのMV『Unconditionally』(2013)をはじめ、多くのミュージックビデオに出演する一方、トム・フォードやルイ・ヴィトンなど名だたるメゾンのキャンペーンやコレクション等に抜擢され、メンズ&ウィメンズの両方をこなす“ジェンダーフリーモデル”として世界中の注目を集める。

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