落ち込みや不安につながりやすい「考え方の癖」とは

 落ち込みや不安につながりやすい「考え方の癖」とは
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石上友梨
石上友梨
2020-05-03
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結論への飛躍

根拠もないのに、ネガティブな未来になると結論付けてしまうことです。

私たちは未来のこと、他人の心を100%予想することは出来ません。しかし、結論への飛躍では、未来のことを予想したり、他人の心を深読みしたり、決めつけてしまいます。

例えば、まだ結果も出ていないのに、「試験に落ちてしまった」「面接はうまく行かなかった。このまま仕事が見つからない」と結論付けてしまいます。また、他人のある発言やふるまいを元に、「〇〇さんに嫌われた」「〇〇さんに仕事ができないと思われている」など、人がどう思っているかを決めつけてしまいます。それが本当のことか真実を確かめないため、落ち込みや不安な気持ちが続きやすくなります。

感情的決め付け

客観的な事実ではなく、感情を根拠にものごとを決め付けることです。

例えば、強い不安を感じた時に、「こんなに不安だから、明日の試験はうまくいかないだろう」と決めつけてしまったり、強い怒りを感じたときに、「こんなに腹が立つのは、あの人の性格が悪いからだ」と考えてしまいます。感情を根拠に考えてしまうので、時には事実と異なり、ただの思い込みに過ぎず、ただただ振り回されてしまいます。

すべき思考

「〇〇すべき」という、自分なりのルールや社会的な規範を強く持つことです。「炭水化物の摂取は1日1回にすべき」「友人には親切にすべき」「電車ではリュックは前に背負うべき」など、それぞれの人が大切にし、行動の基準になっているような考えがあります。このような「すべき思考」はおかしなことでも悪いことでもありません。しかし、「すべき思考」が強過ぎると、柔軟性がなくなり融通が効かないことや、ルールからは外れると怒りや落ち込みにつながることがあります。

自己関連付け

自分とは関係ないことを、自分に原因や責任があると関連付けて考えてしまうことです。例えば、「雨が降っているのは自分が雨女だからだ」「上司が不機嫌なのは、自分の仕事が遅いからに違いない」などと考えてしまいます。自分に原因や責任がないことでも、自責や落ち込みにつながり、自分で自分を苦しめてしまいます。

 

何か思い当たる「考え方の癖」はありましたか?

「考え方の癖」は、もちろん今回紹介したものだけではありません。人それぞれ「考え方の癖」があります。そして、ストレス状況ほど、「考え方の癖」が出やすくなります。自分の癖に気づくことで、考えに振り回されず、距離を取ることができます。辛い気持ちになった時は、「考え方の癖」が影響していないか、意識してみましょう。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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