なぜあなたは苦しいのか。その苦しみを和らげる方法

 「どうして私ばっかりこんな目に」苦しみを和らげる方法とは
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苦しみを味わったとき、私たちは取り乱してしまう。なぜ私だけがこんな目に合わなければならないのかと思ってしまう。しかし、苦しみの中には、自分で増幅する「不必要な苦しみ」があることをご存じだろうか。ヨガの教典「ヨーガ・スートラ」には、苦しみの原因やそれを和らげるための方法が記されている。「ヨーガ・スートラ」のメッセージを受け止められれば、苦しみに振り回されず、その経験から多くの学びを得ることができる。

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運動場で遊ぶ子どもたちを見ていると、自分の目の前の光景が、苦しみの原因について説いている、パタンジャリの『ヨーガ・スートラ』の第2章節を、いかに明確に表しているかということに感心してしまう。母親に砂場から連れ出され、大声で泣き始める小さな女の子。欲しくてたまらないおもちゃのトラックを持っている小さな男の子を追いかけながら泣く男の子。私の子どもは、親指をしゃぶりすぎて痛くなったところを私に見せ、涙ぐんでいるものの、その癖をやめさせようと、彼の親指を口からそっと出そうとするたびに、怒ってその手を払いのけてしまう。

ヨガの教えに学ぶ苦しみを人生に生かす方法とは
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平穏を乱すあらゆるものを示す「ドゥッカム」

苦しみと訳されることの多いドゥッカムという言葉の実際の意味は、「胸や心臓周辺の締めつけ、緊張」だ。動揺したとき、体の中でどう感じられたかを思い出してみると、その感覚がわかるだろう。『ヨーガ・スートラ』の中で、パタンジャリは、不安や不運を感じる気持ちから完全な悲嘆まで、私たちの平穏を乱すあらゆるものを含めて、このドゥッカムという言葉を用いている。動揺したり、怒ったり、不安だったり、悲しかったり、不幸だったり、取り乱していたりするとき、それはドゥッカムなのである。

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Text by KATE HOLCOMBE
Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版Vol.29掲載



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