「タバコをやめることに焦点を当てない」禁煙・節煙方法とは#やめられない理由

 「タバコをやめることに焦点を当てない」禁煙・節煙方法とは#やめられない理由
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節煙・禁煙が進まない理由

節煙や禁煙が進まない理由は主に3つあると言われています。

1. ニコチン依存

喫煙がやめられない一つの理由に、ニコチンによる薬理作用があります。

ニコチンは脳の中枢神経を興奮させると言われており、血中に直接ニコチンを注入するラットを使った実験では、脳の報酬系物質であるドーパミンのレベルが25%〜40%増加したという結果が出ています。一方で、摂取本数が増えると鎮静作用が表れてくることもあり、「興奮」と「鎮静」の二相性の作用を持つ側面もあります。また、作用が消失するスピードが早く、かつ体への耐性ができるため、以前感じたような効果を維持しようとすると本数が増えてしまう傾向があります。

他の薬物依存と同様に、体内のニコチンが減ってきた際にはイライラや集中力の欠如などの様々な離脱症状が表れます。喫煙者の中には「イライラする時にタバコを吸うと落ち着く」と言う人がいますが、ニコチンの離脱症状であることが多いため、それをニコチンで埋めようとしても悪循環で、耐性によって本数は増えるばかりです。

また、コーヒーを片手に喫煙をする人も多いようですが、ここにも巧妙なメカニズムがあります。カフェインにはニコチンを体内から排出させる作用があり、カフェインによって体内ニコチン濃度を減らした上で、再度喫煙でニコチンを補うということをしていると考えられます。

「タバコを吸いたい」と渇望する報酬系や「快感や興奮を得た」という記憶を司る海馬などの働きが強くなると、「タバコをやめたい」と計画したり意思を固める時に活性化する脳の前頭前野部分がハイジャックされてしまい、計画を立てたり誓いを立ててもうまくいきません。個人差はありますが、ニコチン依存は意思の力だけではどうにもならない病気なのです。

日本呼吸器学会が提供しているファーガストロームニコチン依存度テストでチェックしてみましょう。ニコチンの薬理作用への依存度が高い場合、禁煙外来で禁煙補助薬を処方してもらい、少しずつ喫煙によるニコチン濃度を落としていく方法があります。

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